「レタスを水耕栽培で育てることはできるのか」「必要な道具が分からない」など、レタスの水耕栽培で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。水耕栽培の中でもレタスなどの葉野菜は育てやすいと言われています。水耕栽培のポイントやコツをしっかり把握しておけば、上手に育てることができるのです。
本記事では、レタスを水耕栽培で育てる方法やポイントを解説します。
この記事を読むことで、レタスを水耕栽培で育てるコツや注意点などが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.レタスの特徴や人気の理由をチェック!
最初に、レタスの特徴や水耕栽培で人気の理由などをチェックしておきましょう。
1-1.サラダの定番野菜
レタスと言えば、サラダの定番野菜です。レストランやカフェでサラダを注文すると、ほとんどのサラダにレタスが入っています。生で食べることができるのはもちろん、炒(いた)めものや鍋・スープなどの過熱料理にも使うことができるのでさまざまな使い方ができるのです。また、油で炒めることでβカロテンの吸収率が高まるのも特徴と言えるでしょう。βカロテンのほか、食物繊維など栄養価が高く、免疫力アップにつながる成分「TNF-a」が多く含まれています。
1-2.さまざまな種類があるレタス
スーパーなどに販売されているよく見るレタスは玉レタスと呼ばれるものです。結球すると固く丸まりパリパリとした食感を味わうことができます。結球する玉レタスのほかにも、さまざまな種類があることをご存じでしょうか。たとえば、結球しないレタスの中には、リーフレタスの1種であるサニーレタスがあります。サニーレタスは葉に縮みがあり、先の色が濃い赤紫をしているのが特徴です。そのほか、半結球タイプのリバーグリーンレタスや韓国料理でよく使われるサンチュなどがあります。
1-3.初心者でも育てやすい
水耕栽培でレタスに人気が集まっているのは、初心者でも育てやすいことが大きな理由の1つです。水耕栽培は土を使わずに水で育てる方法となります。土栽培よりも育てやすいと言われていますが、レタスを含めた葉野菜は特に初心者向けと言われているのです。ガーデニングや栽培をしたことがない主婦や女性の方でも、気軽に育てることができる・楽しみながらレタスが栽培できると評判になっています。野菜の栽培に自信がない方は、ぜひ水耕栽培でレタスを育ててみてください。
2.レタスの水耕栽培方法
それでは、レタスの水耕栽培に必要な道具や具体的な方法を紹介します。
2-1.水耕栽培に必要な道具を準備しよう
水耕栽培は特別な道具が必要と思われがちですが、身近なものを用意するだけで大丈夫です。主に用意してほしい道具は以下のとおりとなります。
- レタスの種または苗
- 空になったペットボトル(2ℓサイズ)または空き瓶
- スポンジ
- トイレットペーパー
- キッチンペーパー
- フタつきのタッパーやポリ容器
- ハイドロボール
- 液体肥料
- フェルト紐
種または苗どちらから育てるかによって必要な道具が変わります。簡単な方法は苗から育てる方法なので、初心者は苗を用意するといいでしょう。苗から栽培に挑戦して慣れてきたら種からの栽培に挑戦してください。
2-2.苗から水耕栽培で育てる方法
苗から水耕栽培で育てる方法は、ハイドロボール・苗・液体肥料・ペットボトル・フェルト紐の4点を準備してください。主な方法は以下のとおりです。
- 空のペットボトルを上から2/3のところで水平にカットする
- 飲み口の部分を逆さにして切り口を合わせる
- 飲み口の部分にフェルト紐をたらし、その上にスポンジ苗を置く
- 下の部分に水耕栽培用の液体肥料を混ぜた水を入れる
- 1週間に1回水耕栽培用の液肥入りの水を取り替える
- 苗がある程度大きくなり、ぐらついてきたら周囲にハイドロボールを入れて支える
- 根が長くなってきたら先端から1/3だけが水に浸(つ)かるよう水位を調節する
スポンジ苗は、買ってきた苗を切り込みが入ったスポンジに差し込むだけでOKです。差し込む際は、根の部分が下から出るようにしておきましょう。
2-3.種の発芽にチャレンジ!
種から育てる場合は、スポンジ・キッチンペーパー・トイレットペーパー・フタつきのタッパーやポリ容器・種を用意してください。そして、以下の方法で発芽の準備をすすめましょう。
- 湿らせたキッチンペーパーをフタつきのタッパーやポリ容器に敷く
- 種を重なり合わないように並べ、冷蔵庫の野菜室に2~3日入れる
- 種から1~2mmほど白い根が出てきたら冷蔵庫から取り出す
- 2.5~3cm角のスポンジの中心に十字の切り込みを入れて湿らせる
- 種を切り込みの上に1~2粒置き、水を1/3ほど入れたタッパーの中にスポンジを敷き詰める
- 窓際の明るい場所でスポンジが乾かないよう水を追加しながら管理する
上記の方法で管理すると、約2~4日で発芽します。発芽し本葉が1~2枚になったら水耕栽培用の容器(ペットボトル)に植え替えてください。
2-4.水耕栽培キットを活用する
自分で必要な道具を準備するのが面倒だったり、時間がなかったりする場合は、水耕栽培キットを活用するのがおすすめです。水耕栽培キットは、水耕栽培に必要な道具が一式そろっています。たとえば、水耕栽培どっとネットのエアロガーデンは画期的な水耕栽培システムです。エアロポニック技術が採用されているため、植物に酸素・水分・養分を理想的な配分で供給できます。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
3.レタスを水耕栽培する際の注意点
ここでは、レタスを水耕栽培する際の注意点をいくつか紹介します。
3-1.毎日新しい水に交換することが大事
水耕栽培は土栽培よりもお手入れや管理を行う必要がないと言われていますが、まったく世話が必要ないわけではありません。水と液肥だけで育てることになるため、毎日新しい水に交換する必要があります。レタスの様子を見ながら、元気がないときは液肥を追加したほうがいいでしょう。ただし、液肥を入れすぎたり、水を替えなかったりすると根腐れを起こす可能性があるので注意してください。根腐れがひどくなるとレタス全体がダメになってしまうこともあります。また、水の交換と併せて容器が汚れていないかもチェックしてください。
3-2.管理場所の選択に要注意!
水耕栽培は室内で育てることができますが、直射日光が長時間当たる場所や1日中暗い場所で管理するのは絶対にNGです。できれば、直射日光が長時間当たらない明るい場所で管理しましょう。野菜を育てるためには、光合成に必要な光が必要不可欠です。寝室など1日中光が当たらない場所で管理する際は、植物用LEDライトなどを活用することをおすすめします。また、夏場は日の当たる場所が高温になりがちなので、レースカーテン越しに置くなど季節によって置き場所を変えてください。
3-3.苗を支える容器と根の着水範囲にも注意して
レタスを水耕栽培で育てる場合、苗を支える容器と根の着水範囲にも注意が必要です。スポンジに根を張らせて育てる際は、できるだけやわらかいスポンジを選んでください。スポンジが硬すぎると剝がす際に根が傷ついてしまう恐れがあります。また、レタスを育てるペットボトルなどの容器は、透明で持ち上げたときに根の様子が確認でいるものがおすすめです。根を液肥入りの水に浸ける際は、根の1/3~2/3程度を心がけましょう。根の全部を浸してしまうと根元から酸素が吸収できなくなってしまいます。ただ、大きな容器で水を純化させながら十分な酸素を水中に送っているなら根のすべてが水に浸かっていても問題ありません。
4.レタスのおいしい食べ方
ここでは、レタスのおいしい食べ方を紹介します。また、収穫のポイントも併せてチェックしておきましょう。
4-1.サラダにするのが1番おいしい
レタスならではのシャキシャキ感を味わいたい方は、生のままサラダにするのが1番です。タマネギ・トマトなどほかの野菜と併せてサラダにするといいでしょう。生のレタスは栄養価が高く、手軽に味わうことができる方法です。また、食べやすい大きさにちぎったレタスを器に盛りつけて、塩コンブやマヨネーズ・しょうゆなど調味料をかけて食べるのもいいでしょう。レンジで10秒ほど加熱したあと、ごま油をかけるだけでレタスのナムルの完成です。シャキシャキ感を残しつつも少ししんなりした食感に仕上がります。
4-2.炒めものとの相性も抜群!
レタスは炒めても美味しく味わうことができます。たとえば、チャーハンを作る際にレタスを入れるだけで、βカロテンなどの栄養価が吸収できるのです。ソーセージ・ミニトマト・ニンニク・唐辛子を混ぜて炒めるとレタスのペペロンチーノが完成します。手早く作れて野菜をたくさん食べることができ、ビールのおつまみとしても相性抜群です。むきえび・ネギ・塩と中華味で炒めるとレタスとえびのうま塩炒めが完成します。炒めものに入れるだけで野菜の栄養分が吸収できるのはとてもうれしいポイントと言えるでしょう。
4-3.葉が15~20枚になったときが収穫合図
レタスの収穫合図は、葉が15~20枚になったときです。外側から必要な枚数だけ収穫するのがポイントとなります。根元から1~2cmほど残し、根を傷つけないように丁寧に切り取ってください。株ごと刈り取らずに、外側の葉から少しずつ収穫することが大切です。外側から収穫することで内側の葉が生長するので長時間収穫を楽しむことができます。なお、中心の芯が盛り上がってきたときは収穫の終わりを迎えたサインになるため、株のつけ根から切り落としましょう。
5.レタスの水耕栽培に関してよくある質問
レタスの水耕栽培に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.レタスの種類で水耕栽培に向いているものは?
A.さまざまな種類がありますが、特に水耕栽培向きと言えるのはリーフレタスです。リーフレタスは水耕栽培がしやすいのはもちろんのこと、初期生育が安定しているのですぐに収穫できます。種をまいて3~4日程度で発芽するケースがほとんどです。土栽培で育てると発芽まで1~2週間かかるため、収穫サイクルが速いのは水耕栽培と言えるでしょう。
Q.発芽後の育て方で注意しておきたいポイントは?
A.容器の中にアオコが発生しないように工夫を施すことです。アオコは容器が汚れる原因となるため、早めに取り除かなければなりません。液肥を入れ始めたらペットボトルの周囲をアルミホイルで覆うといいでしょう。アルミホイルを覆うことで溶液に光が当たらなくなります。光が当たると光合成ができるのでアオコが発生しやすくなるのです。
Q.種まきの時期はいつがいいか?
A.土で育てる場合、3~4月または9~10月が種まきの最適な時期となっています。ただし、水耕栽培は室内で育てることができるため、1年中栽培が可能です。室内で育てる場合は、15~20℃の気温を保ち続けることが大切なポイントとなります。15~20℃の室温を保ち続けることができれば、いつ種をまいても構いません。
Q.水耕栽培でよくあるトラブルは?
A.水が腐る・臭うトラブルです。液肥が含まれている水は時間が経過するにつれ、バクテリアが繁殖し水質が安定します。しかし、バクテリアがうまく繁殖できなかったり、シアノバクテリアと呼ばれる緑色のべったりとしたような藻(も)や苔(こけ)みたいなものが生えたりすることがあるのです。水中が酸欠状態になっている可能性があるため、養液を交換しエアーポンプで新鮮な空気を送ってください。
Q.液体肥料を加える際の注意点は?
A.2~7日に1回液肥を追加することでレタスを上手に育てることができますが、水に薄めて使うことが大切なポイントです。基本的に、液肥は水に薄めて使うことになります。しかし、中には薄めて使うことを知らずにそのまま入れてしまっている人がいるのです。希釈せずに入れてしまうと栄養を過剰摂取してしまい根腐れを起こす可能性があるので注意してください。
まとめ
レタスは水耕栽培で育てやすい野菜の1つです。初めて水耕栽培に挑戦する人や野菜を育てる人にもおすすめできますが、水耕栽培は水と液肥で育てるのでポイントを把握しておかなければなりません。液肥はきちんと薄める・根を全部養液に浸さない・光が当たる場所で管理するなどポイントを押さえておきましょう。