もう少しで春本番ですね。ホームセンターなどには野菜の苗木や種が並び始めました。現在は家庭で簡単に水耕栽培ができるキットなども売られていますから、レタスなどを育ててみようと思う方もいるでしょう。こういう時にぜひ知っておきたいのが徒長対策です。
今回は、徒長の原因と対策についてご紹介しますので、家庭菜園をはじめてみたいという方はぜひ読んでみてください。おいしい野菜が取れる確率がぐんとアップします。
1.徒長とは?
この項では徒長の状態や原因、そして対策をご紹介します。ちょっとしたことが原因で、植物は徒長を起こしてしまうのです。
1-1.植物が徒長になる時
徒長とは、植物が間延びをした状態に育ってしまうことを指します。ホームセンターなどに並んでいる野菜や植物の苗木を比べると、ヒョロヒョロと細長く伸びた苗を見つけることもあるでしょう。これが徒長です。このような苗は普通の苗よりも虚弱で枯れやすく、実りも悪くなります。
1-2.徒長になる原因は?
徒長になる原因はさまざまですが、一例をあげると
- 水分過多
- 日光不足
- 栄養過多
- 土が硬すぎる
などがあります。これらは特に初心者が植物を育てる際にやってしまいがちな失敗でもあるのです。たとえば種を植えた後、毎日水をじゃぶじゃぶあげたり肥料を足したりしてしまうと、水分と栄養が過多になります。また日当たりが悪いところで種を発芽させても徒長になりやすいでしょう。
1-3.苗から育てても油断はできない
では苗から育てれば徒長にならないかというと、そうでもありません。苗を植える際にぎっしり隙間なく植えてしまっても徒長になりやすくなります。つまりプランターなどで一度に大量の植物を育てようとすると、徒長になる可能性が高くなるのですね。ですから、徒長を防止するためには、適度な間隔をあけて植物を育てる必要があります。プランターなどに直接まくよりはビニール製のポッドに数粒づつ苗を植え、発芽させた方が良いでしょう。
2.家庭菜園で徒長が発生しやすい理由
徒長は家庭菜園を作る際に発生しやすいと言われています。それはいったいなぜでしょうか?この項ではその理由をご紹介します。
2-1.適量や適所がわからない
植物を育てるためには、適度な水と肥料と日光が必要です。しかし家庭菜園で初めて植物を育てるという場合は、なかなかこの「適度」がわかりません。つい肥料や水をあげすぎたり、日光不足になったりしやすいでしょう。特に、マンションのベランダで植物を育てている場合は、土壌不足もあいまって徒長が発生しやすいです。ですから、初めての家庭菜園や植物栽培をする場合は、種から育てるよりも苗から育てたほうが良いでしょう。
2-2.過保護に育てても徒長になりやすい
植物は室内で雨にも風にも当てないように育てると、徒長になりやすいです。今は室内で植物を育てる人も多いですが、徒長に悩んでいる方は少なくありません。また、ずっと室内で育てていると日照不足にもなりやすいので、これが原因で徒長になる場合もあるでしょう。
2-3.「もったいない」が徒長をまねく?
植物を種から育てる場合、もったいないからすべてまいてしまったというケースは少なくありません。しかし、狭い土壌にぎっしりと植物を育てると最も徒長になりやすいのです。プランターなどは育てられる植物の数に限りがあります。できれば十分に間隔を取って育てたほうがしっかりとした苗になりやすいでしょう。しかし、初心者は間引きのタイミングもよくわからないというケースも多く、頑張って育てていたら徒長になってしまったということも少なくありません。
3.水耕栽培で植物を育ててみよう
さて、では家庭で植物を育てる際に徒長のリスクをできるだけ減らすにはどうしたらよいのでしょうか?何度も失敗を繰り返しながら学ぶ、という方法もあります。2〜3年かければ植物の育て方もだいぶうまくなるでしょう。しかし、「初めての植物栽培だけれど失敗したくない」という方も少なくありません。そんな方はぜひ水耕栽培を試してみましょう。
水耕栽培というのは、文字通り土ではなく肥料を溶かした水溶液で植物を育てる方法です。水耕栽培というと工場のような施設で大規模に行うというイメージがありますが、今は家庭で手軽に水耕栽培が行えるように必要なものがコンパクトにまとめられたキットもあります。特に、レタスやチコリなどの葉物野菜を育てたいという場合は、土壌栽培よりも水耕栽培のほうがうまくいきやすいでしょう。
4.水耕栽培を行う際の注意点は?
では最後に、水耕栽培を行う際の注意点をご紹介しましょう。水耕栽培でも注意していないと徒長が起こる可能性があります。
4-1.初挑戦はキットが便利
水耕栽培に初挑戦するという場合は、必要なものがすべてセットになったキットを利用する方が便利です。インターネットを検索すると発泡スチロール製の箱や、ペットボトルで水耕栽培を行っている人の記録などもヒットします。こちらの方がお金がかからないように思えますが、水溶液などをすべてそろえると値段はそれほど変わりません。また、育てる植物などもセットになっていますので「やってみたけれどうまく育たなかった」という失敗も防げます。
4-2.ぎっしり植えない
水耕栽培は土を使わない分、土や肥料が原因で徒長になる可能性は低いです。しかし日照不足だったり、狭いところでたくさん植物を育てると徒長になりやすいでしょう。キットの大きさにもよりますが、植物が大きくなる際に他の植物と葉や根が触れ合わない程度の間隔を保ってください。小さなキットならば一株が限度かもしれません。
この時、残すのは一番元気な苗です。その他の苗は間引いてしまいましょう。このような若葉も火を通せば食べられますので、味噌汁やスープなどに入れてみるといいかもしれません。
4-3.日光は十分に当てる
徒長の一番の原因である日照不足を防ぐために、水耕栽培は日が良く当たる場所で行いましょう。室内ならば日当たりの良い窓辺が一番です。ヒョロヒョロと背ばかり高くなる兆しが見えたら日光不足の証拠。すぐに場所を移しましょう。またどうしても日光不足になってしまう場合はLEDの人工灯などで育てることも可能です。
おわりに
今回は徒長の原因や対策についてご紹介しました。
まとめると
- 徒長とは植物の苗がヒョロヒョロと虚弱に伸びることである
- 徒長になった苗は病気にも弱く、収穫も少ない
- 肥料のやりすぎや日照不足など初心者が起こしがちな失敗の結果、植物が徒長になりやすい
- 水耕栽培をすれば徒長になりにくい
ということです。徒長はどんな植物でもなります。特に野菜は欲張ってたくさん育てようと思うと徒長になりやすいのです。狭い場所で植物を育てる場合は十分に余裕を持って育てましょう。
また、水耕栽培にチャレンジする場合は、説明書をよく読んでから行ってください。水耕栽培は決して難しくありませんが、自己流でできるほど簡単ではありません。肥料と水の割合も最初は決められた通りに行いましょう。慣れてきたら株を増やしたり、大きな場所で水耕栽培に挑戦してみてください。