家庭菜園を作りたい方必見! 土壌改良のやり方は?

手作りのおいしい野菜が食べられる、家庭菜園。昔から人気のある趣味でもあります。特に、庭付き一戸建てを買った方の中には「庭で家庭菜園をしたい」という方もいるでしょう。しかし、庭にいきなり野菜の苗や種を植えてもうまく育ちません。土壌改良が必要です。

そこで、今回は家庭菜園を始める前に行うとよい、土壌改良のやり方についてご紹介します。よい土ができれば、よい野菜が収穫でるでしょう。庭で家庭菜園を始めたいという方や自分の土地を畑に改良したいという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 畑の土はどんな土?
  2. 土壌改良はどうやって行うの?
  3. 古い土はそのまま使えるの?

1.畑の土はどんな土?

家庭菜園を庭や自分の土地で行いたいという場合、まず必要なのは土壌改良です。畑に入ったことのある方なら、畑の土と庭の土の違いはお分かりかと思います。また、植木鉢で植物を育てたことのある方なら、園芸用の土を触ってみたことがあるでしょう。庭の土がみっしりと硬いのに対し、畑の土は柔らかくてほろほろとしています。土は土地によって特徴がありますが、畑の土は重くも軽くもなく植物が根を張りやすい硬さが最適です。

また、適度な保水性と排水性をもち、栄養価が高く微生物が適度に繁殖していることが大切。さらに、異物がなく清潔で、土壌のペーハーはやや酸性が最適です。こんな土は、自然ではありません。ですから、自分で作ることが大切なのです。

畑の土は、人間が手入れしたものなんですね。
はい。ですから、畑を作る場合はまず土づくりをすることが大切です。

2.土壌改良はどうやって行うの?

では、土壌改良はどのように行うのでしょうか? この項では、土壌改良のやり方をご説明していきます。

2-1.異物を取りのぞこう

庭の土にはいろいろなものが混じっています。石や植物の根っこ、粘土のかたまりなどもあるかもしれません。ですから、庭を畑に改良したいという場合は土を掘って異物を取りのくことから始めましょう。これが「開墾(かいこん)」という作業です。

映画などで、荒れ地を一生懸命掘り返すシーンを見たことがある方もいるでしょう。庭の場合は、木の根や石などはそれほど埋まっていないと思いますが、それでも時間をかけて行ってください。もし、小型のシャベルカーなどの重機が借りられる場合は利用しましょう。異物が細かい場合は、ふるいなどを利用して取りのぞいてください。

2-2.肥料を混ぜる

庭の土はそのままでは栄養が足りません。ですから、肥料を混ぜて栄養を加えましょう。肥料を加えると微生物が増えて土が適度な硬さになり、保水性や排水性、通気性が改良されます。肥料には、有機肥料、化学肥料、液肥、堆肥などの種類があるのですが、土地によって使い分けましょう。農業指導員などから助言をもらえれば、それに越したことはありません。

地域によっては「農業用の土」を販売しているところもあります。堆肥のブレンドの仕方が分からないという場合は、そのような土を購入してもよいでしょう。また、肥料を入れてもすぐに野菜は植えられません。2~3週間ほどまって土の中に微生物を繁殖させましょう。

2-3.土の酸性度を調整する

土には、酸性、中性、アルカリ性といった性質があります。野菜はやや酸性よりの中性を好むものが多いので、酸性の土は石灰などをまいて中和しましょう。土の酸度を計るには、「酸度計」を使います。

インターネット通販や園芸店、ホームセンターで購入できますので、必要ならば購入してください。しかし、火山灰土など極端にアルカリ性だったり逆に酸性だったりする土地は、完全に中和させることができません。ですから、その土地で育ちやすい野菜を育てましょう。

2-4.土を耕す

土が落ち着いたら、いよいよ土を耕します。土を耕すことによって空気を十分に含ませて、通気性をよくするのです。これでやっと野菜を育てる準備が整いました。ここまでで半年程度かかる場合もあります。ですから、庭に家庭菜園を作りたい場合は前年度の秋くらいから土作りを始めるとよいでしょう。

農地予定の土地が大きいほど、土作りも専門の道具が必要です。ですから、最初から「庭全体を家庭菜園にしよう」と思わず、一部分だけ土壌改良を行いましょう。

また、しばらく作物を作ってなかった畑も、同じように土壌改良が必要です。貸し農園に費用がかかるのは、土作りの手間や費用も含まれているため。ですから、休耕田などを借りると安くつく場合もあります。ただし、土地は痩せていますので、質のよい野菜が育つまで何年かかかるかもしれません。そこをよく考えて、土地を借りましょう。農協などに相談すると、場所によっては農機具を貸してくれる場合もあります。

土の手入れは手間がかかるんですね。
はい。ですから、一から畑を作る場合は作物を植えられるまでに1年以上かかることもあります。

3.古い土はそのまま使えるの?

プランターなどで野菜や植物を育て終えると、土が残ります。「まだ使えるから、来年新しい苗を植えよう」と思う方もいるかもしれません。しかし、古い土は栄養が失われています。

また、前の植物の病気や害虫などが残っている可能性もあるのです。ですから、古い土はそのまま利用しない方がよいでしょう。土が少量の場合は、燃えるゴミなどに出してしまいましょう。園芸店などが、土を回収しているところもあります。しかし、土が大量にあってもったいないという場合は、土壌改良と同じ方法をとりましょう。

異物を取りのぞき、日光に当てて消毒します。育てていた植物が病気になったり害虫がついてしまったりしたという場合は、黒いビニール袋に土をかけて熱湯をかけましょう。そのまま2か月ほど時々ひっくり返しながら放置します。これで、土が消毒できました。

その後も、土壌改良と同じように堆肥や肥料を入れて、土の酸性度を調節します。これで、土がよみがえりました。なお、「うちはいなかだから園芸に使った土が不要になると、河原などに捨てに行く」という方もいます。自治体が許可をしているならば、土を自治体が管理している土地にまくのは違法ではありません。

しかし、外来植物を育てていた土をそのまま捨てると、残った種や根から発芽して生態系を壊してしまうこともあるでしょう。特に、ミントなどのハーブは繁殖力が強く、根っこが1本あれば再生してしまいます。ミントなどのハーブはもともと日本には存在していませんでした。ですから、不用意に土を捨てると、貴重な在来種が外来種に駆逐(くちく)されてしまう恐れもあります。

古い土は再利用しないほうがいいんですね。
はい。プランターなどで使った少量の土は、一度捨てて新しいものと入れ替えましょう。

おわりに

今回は土壌改良のやり方についてご紹介しました。

まとめると

  • 土壌改良は、時間をかけて行う。
  • 土から異物を取りのき、肥料を与えて栄養を追加しよう。
  • 石灰などを混ぜて土の酸性度を調節しよう。
  • 土を耕して通気性をよくしよう。

ということです。

実際に土壌改良を行ってみると、大変ですが楽しいと感じる人も多いでしょう。土壌改良から自分で行った畑で取れた野菜は格別です。

古い土をそのまま使って新しい作物を作ると、どうしてもできが悪くなります。たとえば、夏野菜を片付けて秋野菜や冬野菜を作る場合は、追肥をして土を耕しておきましょう。可能ならば、土をしばらく休ませてあげるとよいですね。

また、土を回収していない自治体もありますので大量の土が不要になった場合は、土を回収する業者などを利用しましょう。このような業者は土を回収して土壌改良を行い、農地などで再利用するのです。ですから、それほど回収料も高くありません。勝手に公園などに捨てないようにしましょう。


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