自宅で簡単に家庭菜園ができる「水耕栽培」の人気が出ています。雑誌やテレビなどでも取り上げられる機会が増え、企業の植物工場だけでなく、家庭菜園用の栽培キットも販売されるようになりました。水耕栽培は土なしで作物を育てる方法ですが、室内で育てる場合は太陽の代わりになる照明が必要です。しかし、どんな照明を選べばいいのか、本当に必要なのかわからない方は多いでしょう。
そこで本記事では、水耕栽培の照明の必要性から選び方まで、詳しく説明します。
この記事を読むことで、水耕栽培を始めるための照明の必要性などについて詳しく知ることができます。水耕栽培の照明で悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.水耕栽培の照明について
水耕栽培の照明にはさまざまな種類があります。順調に育てるためにも、照明の必要性や種類・使い方を把握しておきましょう。
1-1.照明の必要性
水耕栽培のよくあるトラブルに日照量の不足が挙げられます。1日3時間以上太陽に当てることが、場所や天気によってできないケースもあるでしょう。そんなときこそ、太陽光の代わりになる照明が大活躍します。光合成が必要不可欠な植物にとって、照明は成長を促す大切な道具です。
1-2.照明の種類
水耕栽培に使われる照明は、LEDライトと蛍光灯の2種類があります。現在、最も使用されているのがLEDライトです。LEDライトは照射範囲が狭い特徴があります。また、ワット数も低いため、電気代も安く抑えられるのです。狭いスペースで水耕栽培をする場合はLEDライトをおすすめします。
特に、葉野菜を育てる場合はLEDライトがよく使われることが多いのです。一方、蛍光灯は照射範囲が広く、距離が離れるほど光量が少なくなるところが特徴といえます。LEDライトよりも光の色が白く、さまざまな野菜が育てられますが、開花する植物の場合は開花後使えませんので注意してください。
1-3.おすすめの照明は?
水耕栽培用キットでもよく含まれているのはLEDライトです。LEDライトは電気代が安く、ほんのり暖かい光を照射します。また、光の波長を自由に変えられるのもおすすめの理由です。そのため、育てる植物に合わせて適切な種類の光を当てることができます。
たとえば、赤色LEDは植物が光合成しやすい波長です。白色でも十分に育ちますが、慣れてきたら植物に合った色に変えてみるともっと育てやすくなるでしょう。
1-4.照明の使い方
LED照明を上手に使うためには、光の量を調節することが大切なポイントです。植物が元気に育つ光の量は、1,000ルクス~1,500ルクスといわれています。中にはホームセンターで売られている普通のLEDライトを購入して利用する方もいるでしょう。しかし、照明は大きさによって光の量が異なるため、植物専用のLEDライトを使ったほうがいいですよ。
1-5.注意点
光の量は植物と照明の距離も関係しています。また、照明の種類によって適切な距離が異なるため、照明を設置する場合は育てる植物と照明の光量を考えなければなりません。植物を育てるためにも、慎重に照明を選ぶ必要があります。もし、わからない場合は照明器具が含まれている専用キットを購入するか、販売しているお店のスタッフに尋ねてみてください。
2.水耕栽培を始める前に
水耕栽培を始める前に知っておかなければならないことがいくつかあります。これから、照明・道具が購入できる場所・手軽なキットの紹介・植物の選び方など説明しましょう。
2-1.照明・道具が購入できるところ
水耕栽培が注目されるようになり、必要な道具を扱っている園芸店やホームセンターも増えています。しかし、種類に限りがあるため、インターネットのほうがおすすめです。水耕栽培専用のショップサイトには、多数の種類がそろっています。自分が育てたい植物に合った道具が購入できるでしょう。
2-2.手軽なキット紹介
初心者におすすめしたいのが、水耕栽培の道具がすべてそろっている専用キットです。購入すればすぐに水耕栽培が始められます。特に、水耕栽培どっとネットの家庭菜園キット「エアロガーデン」は誰でも簡単に始められる画期的な水耕栽培システムです。植物に水分・酸素・養分を理想的な配分で供給できるエアロポニック技術が採用されています。水と種を入れた専用ポットを差しこみ、液体肥料を入れるだけで栽培可能です。ぜひ試してみてください。
2-3.植物の選び方
苗から始める場合、根や葉の状態をチェックして選んでください。根や葉の色が青々としているか、腐っている部分はないかなど、細部まで確認しましょう。元気がない苗は葉っぱがしおれていて、根っこも腐っている可能性があります。どんな植物から育てればいいのかわからない方は、葉野菜から挑戦してください。葉野菜はサラダや炒(いた)めものなどさまざまな場面で活用でき、育てやすいのでおすすめです。
2-4.費用相場
専用キットを購入する場合、費用はおよそ2万円~です。水耕栽培どっとネットのエアロガーデンは19800円+送料がかかります。地域によって送料が異なるので注意してください。水耕栽培キットを自作したほうがお金はかかりませんが、初心者は失敗する可能性があります。費用よりも自分が気楽に始められる方法を選びましょう。
3.水耕栽培の照明に関してよくある質問
水耕栽培の照明に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。照明の設置を考えている方や水耕栽培に挑戦したい方はぜひチェックしてください。
Q.成長期用と開花期用のライトは違うのか?
A.成長期用として使うライトはMH-成長期用、開花期用のライトはHPS-開花期として発売されており、この2種類はワット数が異なります。成長期用は250W・400W・600W・1000W、開花期用は220W・360W・400W・600W・1000Wです。
Q.植物育成ライトのデメリットは?
A.植物育成ライトを上手に使うためにはデメリットを知る必要があります。デメリットは、一定期間照射しなければならないことです。平均12時間以上は植物に照射しなければなりません。電気代はかかりますが、省電力のLEDライトを使えば節約できます。
Q.電球タイプは水耕栽培に向いているのか?
A.電球タイプでも植物を育てることができます。ただし、電気代がかかるため、費用が気になる方はおすすめできません。何種類かの照明を比較してみて、育てたい植物の種類や環境に合ったものを選びましょう。
Q.LEDライトは電気代がいくらかかるのか?
A.家庭菜園用の水耕栽培キットはコンパクトなサイズが多いので、月に数百円~千円程度の電気代で済みます。蛍光灯にすると数千円かかる可能性もあるため、LEDライトはローコストで水耕栽培が楽しめるでしょう。
Q.LEDライトを上手に使うコツは?
A.光の当たる部分にムラができてしまうと、植物が育たなくなります。そのため、LEDライトを設置する場合は、全体に光が行き渡るようにしてください。もともと照射範囲が狭いため、細長い形を選んだり、ライトを数個使用したりするなど工夫しましょう。
まとめ
水耕栽培は土を使わずに水と液肥で栽培できる方法です。初心者でも簡単に室内で家庭菜園を始めることができます。ただし、室内は太陽の光が十分に当たらず、照射不足になり、育たなくなる恐れもあるでしょう。光合成をするためにも太陽光は必要です。照射不足になりそうな場合は、植物育成ライトを活用してください。電気代はかかりますが、LEDライトなら省電力で植物を育てることができます。初心者は家庭菜園用の水耕栽培キットを利用するといいでしょう。必要な道具がすべてそろっているため、すぐに始められますよ。家庭菜園を家の中で楽しむためにも、水耕栽培の基本知識や照明のポイントを押さえてください。