ルッコラは、ごまに似た風味やピリっとした辛(から)さが特徴の葉野菜です。また、見た目の彩りだけでなく、栄養も豊富であるというメリットもあります。家庭栽培でも簡単に育てることができるため、最近人気が急上昇しているのです。実際に、ルッコラを育ててみたい人も多いことでしょう。そこで、今回は、ルッコラの栽培について解説します。育て方のコツやポイントを詳しく解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を読むことで、ルッコラの栽培に必要な知識を身に付けることができます。初めての栽培でも、上手(じょうず)に育て上げることができるでしょう。まずは、記事の内容をしっかり学んでください。さまざまな栽培方法の中から、育てやすい方法を選んでチャレンジしましょう。
1.ルッコラについて
最初に、ルッコラについての基本を学びましょう。ルッコラの定義や主な種類について解説します。
1-1.ルッコラとは
ルッコラとは、アブラナ科キバナスズシロ属の1年草のことです。原産地は地中海沿岸で、食用には葉と茎の部分を用います。ルッコラは、ごまの風味がする味わいが特徴です。また、ルッコラの種には強壮作用があると言われハーブティーなどにすることがあります。
1-2.ルッコラの主な種類
主な種類については、下記を参考にしてください。
- ロケット
- オデッセイ
- ローマ・ロッソ
日本に出回っているルッコラは、いずれも育てやすく味がいいことが特徴です。
2.ルッコラの魅力を知ろう
ルッコラには、多くの魅力があります。人気の理由や栄養・活用法やレシピなど、詳しく学びましょう。
2-1.ルッコラが人気の理由
ルッコラは、若い女性を中心に人気を集めています。主な理由は、以下をご覧ください。
- 栄養が豊富
- カロリーが低い
- 育てやすい
- 味がいい
- 調理しやすい
最近は、家庭栽培でルッコラを育てている人も多くいます。自分で栽培したルッコラの味わいは、格別なものです。
2-2.ルッコラの栄養について
ルッコラは、栄養がとても豊富です。主な栄養素については、以下を参考にしてください。
- β-カロテン
- ビタミンC
- ビタミンK
- カルシウム
- 葉酸
- 食物繊維
特にβ-カロテンはブロッコリーの4倍以上、ビタミンCはほうれん草と比べて2倍程度と豊富です。100グラムに付き、約19キロカロリーであることからも低カロリー・高栄養食品として活用しましょう。
2-3.ルッコラの活用法・レシピを紹介
ルッコラをおいしく食べることができるおすすめのレシピを紹介します。いずれも簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。
2-3-1.ルッコラと生ハムのサラダ
ルッコラは直前に収穫します。できるだけ青々として勢いのいいものを選びましょう。水でよく洗って、適当な大きさにちぎっておきます。生ハムは、1枚ずつくるくると巻いてまとめておきましょう。ルッコラと生ハムを皿に盛り、お好みのドレッシングを掛け、最後にブラックペッパーを振ると風味豊かなサラダのできあがりです。
2-3-2.ルッコラのごまあえ
塩をひとつまみ入れたお湯を沸騰させ、よく洗ったルッコラを入れて30秒ほどゆでましょう。ゆでた後は、冷水にとってあく抜きをしてください。水気をよくしぼって、約3センチの長さに切りボウルに入れ、ごま大さじ3・しょう油大さじ2・砂糖大さじ1を加えてよく混ぜましょう。仕上げに、かつお節を加えるとできあがりです。
2-3-3.ルッコラとモッツァレラチーズのピザ
市販の冷凍ピザ生地の上に、ピザソースを薄く塗ります。ソースの上に、ルッコラの葉をキレイに並べてください。ピザ用チーズを上からたっぷりと掛け、さらにモッツァレラチーズを手でちぎりながら配置します。オーブンに入れて、表面の焼き色を見ながら焼いてください。熱々のうちに食べることをおすすめします。
3.ルッコラの育て方を学ぼう
ルッコラの育て方を学びましょう。栽培や収穫に適した時期や、育て方について詳しく解説します。
3-1.ルッコラの栽培・収穫時期について
ルッコラは、比較的強いので1年中栽培を楽しむことが可能です。ただし、真夏には生育が悪くなりがちなので、春先や秋から栽培を始めるといいでしょう。
3-2.ルッコラの育て方いろいろ
ルッコラの育て方について、主なものをご紹介しましょう。
3-2-1.プランター栽培
ルッコラは、プランターで気軽に育てることができます。マンションやアパートのベランダを利用して、プランター栽培してみましょう。プランターは土の量が限られているため欲張って多くの株を育てないようにすることがコツです。
3-2-2.土植え
土植えは、ルッコラを大量に育てたいときに向きます。庭や畑がある人は、土植えで育ててみましょう。プランター栽培では収穫量が物足りない、といったときにも土植えがおすすめです。まずは、土作りから始めましょう。栄養不足が心配なときは、腐葉土などの肥料を混ぜてください。なお、土植えは天候や気候の条件が収穫量や品質に大きく影響しますので注意しましょう。
3-2-3.水耕栽培
ルッコラの栽培方法として、水耕栽培にも注目してください。水耕栽培は、土の代わりに培養液を入れた水で育てる方法です。また、室内でも植物用LEDを利用することで日光の代用とすることができます。水耕栽培で育てると、調理の直前に収穫して食べることも簡単ですよ。
3-2-4.ハウス栽培
ビニールハウスを使用すると、安定した条件でルッコラを育てることができます。温度管理を行うことで、1年をとおして収穫をすることも可能です。ただし、維持費が掛かります。少量のルッコラを育てるのでは割に合いません。大量のルッコラをいい条件で育てたいときに考えてみましょう。
3-3.初心者におすすめの種類や栽培方法は?
初心者には、育てやすい種類や栽培方法を選ぶことが大切です。まずは、ルッコラを育てる楽しみを味わいましょう。初心者でも育てやすい種類としては、ロケットやオデッセイがあります。栽培方法では、プランター栽培や水耕栽培がおすすめです。特に、水耕栽培は、室内でも簡単に育てることができるので初心者向きと言えます。
3-4.ルッコラの育て方に関する注意点
ルッコラを育てるときは、以下のことを考えて育て方を選びましょう。
- 収穫量の希望はどのくらいか
- 自宅の環境に適しているか
- 育てやすい方法はどれか
たとえば、たくさん収穫をしたいのなら広い場所での土栽培が適します。しかし、庭が無い場合やルッコラの栽培に適した場所が確保できない場合は、ほかの方法を選びましょう。自分の希望を叶(かな)えることができる栽培方法について、じっくり考えてみてください。
4.ルッコラの育て方:土で育てる方法
ルッコラの育て方として一般的なのは、土で育てる方法です。必要な道具や具体的な方法・注意点など詳しく説明します。
4-1.ルッコラの栽培で揃(そろ)えるべき道具
ルッコラを育てるためには、特別な道具は必要ありません。もともと、家にあるもので十分です。不足しているものだけ新しく用意しましょう。
- ルッコラの種
- 土
- 肥料(培養土・腐葉土)
- スコップ
- じょうろ
- 植物用ネット
- 軍手
- ピンセット(間引き・害虫駆除用)
4-2.ルッコラを土で育てる方法
ルッコラを土で育てる方法としては、主に以下のようなものがあります。
- 農地や自宅の庭で育てる
- プランターなどの容器を使って育てる
- ビニールハウスで育てる
4-3.土作りについて
植物には、生育に適した土の条件があります。栄養分が豊富な土にするためには、培養土や腐葉土を適量混ぜるといいでしょう。しっかり混ぜ合わせてふんわりとした土に仕上げることで、ルッコラの育成を助けてくれます。また、ルッコラは多湿を嫌うため、水はけのいい土作りが大切です。
4-4.ルッコラの種まきや水やりについて
ルッコラの種は、最初にたくさんまいておき、後から間引きをすることをおすすめします。土の上に、約1センチ感覚で種をまいて軽く土をかぶせましょう。芽が出たら、育成の悪いものを中心に間引きします。最終的に、4センチ以上の間隔になるように調整しましょう。水のやり過ぎは、育成不良や根腐れの原因になるので注意してください。土が乾いたときにたっぷりの水を与えるぐらいで構いません。
4-5.肥料について
ルッコラを土栽培するときは、肥料を与えると育ちがよくなります。苗の高さが約5センチになったころで、肥料を与えましょう。まんべんなく土に肥料を与えるには、液体タイプのものを薄めて散布すると効果的です。なお、与え過ぎはルッコラが枯れる原因になるので適正量を守ってください。
4-6.ルッコラの害虫について
ルッコラには、アブラムシやアオムシが付きやすくなります。栄養豊富な野菜であるため、害虫被害を受けやすいのです。そのため、土で育てるときは、こまめに害虫駆除を行ってください。安全性を考えると農薬の使用はおすすめしません。できるだけ、害虫をみつけたときに取り除く方法で行いましょう。なお、植物用のネットを使うと効果的です。いずれにしても、注意深く観察して被害の拡大を防ぎましょう。
4-7.ルッコラの収穫について
ルッコラの高さが、地面から20~25センチほどになったら収穫しましょう。ルッコラの根元から切るか、根ごと引き抜きます。育ち過ぎると味が落ちるため、収穫時期を見逃さないようにしましょう。収穫後は新鮮なうちに食べることがおすすめです。もしもすぐに食べきることができない場合は、水にひたしたキッチンペーパーでくるんでビニール袋に入れて冷蔵保存すると大体4日持ちます。また、ゆでてあく抜きをしたものなら冷凍室で2週間程度は保存できるので覚えておきましょう。
4-8.ルッコラを土で育てるときの注意点
ルッコラは、連作(毎年続けて同じ土地で同じ品種を育てること)に向きません。連作をするとうまく育たなくなることが多いため、毎年栽培したい人は違う場所を選んでください。また、土栽培の場合、適度に日光が当たる環境は必要ですが、当たり過ぎると葉が固くなってしまいます。日当たりの穏やかな場所を選ぶと、柔らかくて食べやすいルッコラに育つでしょう。
5.ルッコラの水耕栽培について
ルッコラは、水耕栽培でも育てやすいことで知られています。ここでは、育てるメリットや知っておきたいことを具体的に解説しましょう。
5-1.ルッコラの水耕栽培について
ルッコラは、水耕栽培で育てることをおすすめします。種まきから収穫まで、土を使わずに室内で一貫して育てることも可能です。土いじりや虫が苦手な人でも、水耕栽培なら問題無く育てることができるでしょう。なお、水耕栽培をするためには必要な道具を最初に購入する必要があります。具体的には、下記のものを揃(そろ)えてください。
- ルッコラの種(水耕栽培用のものが望ましい)
- 培養液
- 育成用容器
- スポンジ(種まき・育成用)
- ピンセット
- 植物用LEDライト
5-2.ルッコラを水耕栽培で育てるメリット
- 室内・キッチンでも栽培できる
- 育てるのが簡単
- 育てている間も見た目で楽しめる
- 土を使わないので清潔
- 天候や気温を考えなくていい
ルッコラの水耕栽培は、メリットが多く、楽しく行うことができます。特に、水耕栽培初心者には育てやすくておすすめです。
5-3.水耕栽培での害虫について
水耕栽培は、基本的に室内で行うため、害虫は付きにくくなります。土栽培と比べると、害虫被害は格段に少なくなるのは確かです。しかし、アブラムシなど飛来するタイプの害虫はいつのまにか付くことがあるので注意してください。特に、葉の裏や茎の部分をよく観察して、付いていたらピンセットでつまんで駆除しましょう。そのほかの害虫にかんしても、こまめに観察することで対策できます。
5-4.水耕栽培での収穫について
色よく葉が育ったと感じたら、早めに収穫してください。こまめに収穫することで新しい葉に適切な栄養が届くのです。放置し過ぎると、せっかく育ったのに枯れてしまったり増え過ぎたりして始末に困るようになります。育った都度、収穫してルッコラのおいしさを味わいましょう。
5-5.ルッコラの水耕栽培に関する注意点
ルッコラは、水耕栽培でも育てやすい種類です。しかし、放っておいても育つわけではありません。窓際やエアコンの下など、温度や湿度の変化が激しい場所は生育に向かないのです。直射日光が当たらず、温度や湿度変化がゆるやかな場所で育てましょう。水替えもサボってはいけません。また、最終的に品質のいいルッコラを収穫するためには、種も水耕栽培に適したものを選ぶことをおすすめします。
6.ルッコラの育て方に関するよくある質問
最後に、ルッコラの育て方に関するよくある質問に回答します。上手(じょうず)に育てるためにもそれぞれの内容をきちんと確認しておきましょう。
6-1.ルッコラとほかのハーブをひとつのプランターで育てていいですか?
ルッコラは、ルッコラだけで育てましょう。ひとつのプランターに異なる種類のハーブを入れると、互いに生育のじゃまとなることが多いのです。ハーブによっては、ルッコラの生育条件が合わないこともあります。品質のいいルッコラを収穫するためにも、プランターを分けてください。
6-2.ルッコラがうまく育たないときは最初から全部やり直すべきですか?
何らかの理由でルッコラがうまく育たなかったときは、何が原因だったのかをまず考えてみてください。失敗した理由を知ることが、次回の成功につながります。失敗を繰り返さないためにも、焦りは禁物です。なお、土栽培で失敗したときはプランターや水耕栽培などより気軽にチャレンジできる方法も検討してください。
6-3.ルッコラの水耕栽培は留守がちな人でも育てられますか?
水耕栽培は水やりが必要なく、日光の代わりにLEDライトを使用するため、最も手間が掛からない栽培方法です。最低限の世話が可能なら、留守がちの人でも育てることは十分に可能でしょう。ぜひ、ルッコラの栽培にチャレンジしてください。
6-4.ペットがいる家でルッコラを育てるときの注意点は?
ペットが移動できる範囲で育てないことが大切です。ペットはルッコラを見ると、興味本位で食べてしまうことが多くなります。ルッコラ自体に害はありませんが、動物の体調を崩す可能性もあるので注意しましょう。できれば、普段からペットが入ってこない部屋で育てることをおすすめします。
6-5.ルッコラの水耕栽培に必要な道具などはどこで購入できますか?
以下の場所で購入できます。
- 園芸用品店
- ホームセンターの園芸コーナー
- 水耕栽培専門店
なお、当水耕栽培どっとネットでも、水耕栽培専門店として品質がよく使いやすい道具を多数扱っています。ぜひ、ご覧になってください。
まとめ
今回は、ルッコラをうまく栽培するためのコツを詳しくお届けしました。おいしいルッコラに育てることができれば、食卓の彩りになるだけでなく、栄養をたっぷり摂(と)ることも可能です。特に初心者は、土栽培よりも簡単に育てやすい水耕栽培をおすすめします。水耕栽培なら、キッチンでも栽培でき、必要なときに収穫して調理できるので便利です。まずは、水耕栽培専門店などで必要な道具を揃(そろ)えましょう。豊富な知識を持った業者なら、栽培に関する質問にも親切に答えてくれます。ルッコラの栽培はとても楽しいものです。ぜひ、試してみてくださいね。