わさびは家庭での栽培が可能です。水槽やペットボトルを使い、自家栽培を楽しむことができます。栽培を始める前は、難しいのではないかと不安に感じることもあるでしょう。わさび栽培の基本を押さえておくだけで、収穫することができます。わさび栽培の方法やポイントを覚えておきましょう。
今回は、わさび栽培や水耕栽培についてご紹介します。
この記事を読むことで、わさび栽培についてよく分かります。わさびは料理のアクセントにぴったりです。自家栽培を楽しむヒントにしてください。
1. わさび栽培の基本
まず、わさびの魅力や栽培の基本などをご紹介します。
1-1.わさびの魅力
わさびの魅力はツンとした辛味です。すりおろして使う場合や、刻んで使う場合があります。薬味としても最適で、日本料理には欠かすことができないものとなりました。栽培方法は2種類あり、水辺で栽培する沢わさびと、土で栽培する畑(陸)わさびがあります。
わさびに含まれる栄養は、炭水化物・食物繊維・葉酸・カルシウム・マグネシウム・鉄分・リン・亜鉛・ビタミンB・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンKなどです。辛味成分であるAITCも含まれています。AITCは抗菌作用があり、食中毒予防にも効果があるとされる成分です。
1-2.わさびの栽培はできるか?
わさびの自家栽培は可能です。ただし、沢わさびは、水のきれいな環境を維持するため、水質管理をしっかり行わなければなりません。畑(陸)わさびは、プランターなどを使った土栽培となります。
1-3.栽培の基本
わさびの栽培を行うときは、温度と水温の管理をしっかり行わなければなりません。気温は8〜18℃、水温は15℃前後が理想です。土栽培をするときも、気温には注意してください。栽培を始める時期は、9〜10月ごろが植えつけに適しているでしょう。植えつけからおよそ2年で収穫ができるようになります。種から育てる場合、3月または10月が種まきに適していて、発芽までは湿った川砂で育てましょう。
1-4.栽培のポイント
前述したとおり、水温管理がわさび栽培において、最も重要なポイントです。本来は、湿潤という水が常に流れる環境が沢わさび栽培では望ましいのですが、自家栽培の場合は難しいため、水温と水質管理をしっかり行うようにしてください。また、薄日があたる環境であることも大切です。
2.沢わさびの栽培方法
沢わさびの栽培に必要なものや、水耕栽培について解説します。
2-1.準備するもの
沢わさびの栽培に必要なのは、水槽やペットボトルなどの容器です。プランターでも、水を貯(た)めることができれば問題ありません。川砂を容器の底に敷き、根茎が隠れるまで土を被(かぶ)せます。水は、土の表面から2cmほどの高さまで張ってください。
2-2.水耕栽培の方法
沢わさびは水辺での栽培が適しているため、水耕栽培でも育てることができます。水耕栽培は、根から養分を吸収して育てる方法です。水耕栽培を自宅で行う場合、容器のほかに、養分となる液体肥料を混ぜた水溶液が必要になります。水が循環してきれいな環境を維持できるよう、酸素供給器があると便利です。水耕栽培ではロックウールなどを培地にし、苗を植えつけて育てます。室内での栽培も可能ですが、水質と温度管理には注意しましょう。
2-3.道具などの購入について
水耕栽培を始めるときは、市販の水耕栽培キットを活用すると失敗がありません。水耕栽培キットには、容器や液体肥料などがそろっており、個別に購入する手間を省くことができます。苗を用意するだけで、すぐに水耕栽培が始められるのがメリットです。
2-4.水耕栽培のポイント・注意点
水耕栽培で大切なのは、日照条件・水温と室温管理・水質管理です。わさびは薄日があたる環境が望ましいため、日照条件が悪い場合は、LEDライトなどを使って補うようにしましょう。水温と室温は上がりすぎないよう、温度計でしっかり管理してください。湿潤した環境が理想ですが、自家栽培では難しいでしょう。井戸水などを使って水が流れる環境を作った栽培方法もあっても、井戸水が普及していない家庭もあります。また、家庭では、井戸水が流れる栽培環境を作ることも難しいため、容器の水をこまめに交換し、濁りや汚染が発生しないように注意しましょう。
3.畑(陸)わさびの栽培方法
畑(陸)わさびの栽培方法は、土を使います。準備するものや手順などを覚えておきましょう。
3-1.準備するもの
畑(陸)わさびの栽培には、川砂を混ぜ込んだ土とプランターが必要です。川砂を使うのは、水はけがいい環境にするためで、水持ちもよくなります。川砂が用意できない場合は、培養土を代用しても構いません。根または種から育てることができます。直射日光を避けるため、遮光ネットを用意するといいでしょう。必要に応じ、化成肥料などを用意してください。
3-2.根から栽培する方法
株分けした根を使い、増やしていく方法です。茎が出ている場所から2cmほど下を切り落とし、土に挿すだけで植えつけができます。株分けするときも、同じ方法で増やすことができるでしょう。水切れが起こらないよう、水やりには注意してください。
3-3.種から栽培する方法
種の場合、発芽までは川砂で育てましょう。発芽してから、プランターに植え替えをし、根から栽培する方法と同じやり方で育ててください。水をたっぷり与えるようにしましょう。
3-4.畑(陸)わさびの栽培におけるポイント・注意点
畑(陸)わさびを土栽培で育てるため、病害虫の発生は避けられません。病害虫を見つけたら、すぐに取り除くようにしてください。また、発生リスクを抑えるため、プランターなどは地面から離して配置するようにしましょう。
4.わさび栽培でよくある質問
わさび栽培に関する疑問を集めました。参考にしてください。
Q.花が咲くとわさびの風味が落ちるというのは本当か?
A.はい、本当です。花の部分も辛味があり、天ぷらなどの調理に適していますが、花が咲いた後のわさびは風味が落ちます。おいしさを保(たも)つためには、花が咲く前に蕾(つぼみ)を取り除きましょう。
Q.沢わさびを水で育てるのはなぜ?
A.沢わさびを水が流れる環境で育てることで、雑草の繁殖を抑えたり、低い水温を一定に保ったりすることができ、わさびの生育に適しているのです。
Q.水温が高くなるとどうなるのか?
A.水温が高くなると、水の腐敗や根腐れが起こります。そのため、水質と温度管理はしっかり行うことが大切です。
Q.わさびにつきやすい害虫とはどんなもの?
A.アブラムシやカイガラムシです。忌避剤を使用するか、寒冷紗(しゃ)などを使って虫除(よ)けをしましょう。
Q.水耕栽培キットはどこで購入するべきか?
A.水耕栽培キットの購入は、インターネット販売が便利です。水耕栽培どっとネットをご利用ください。
まとめ
わさびには沢わさびと畑(陸)わさびの2種類があり、それぞれ育て方が異なります。わさびは高温の環境を嫌うため、温度と水温の管理に注意しましょう。水耕栽培で育てることもできますが、水の濁りや汚染にも気をつけなければなりません。わさび栽培のポイントを覚え、自家栽培を楽しんでみてください。