サラダや料理の付け合わせなどで活用できる「サラダ菜」が、家庭で育てられたら嬉しいですよね。家庭菜園=畑やベランダがないとできない、というイメージがあるでしょう。しかし、小スペースでもサラダ菜をはじめとした野菜が育てられる「水耕栽培」があります。水耕栽培は家庭菜園を身近に感じられる栽培方法で、人気ブロガーや芸能人などさまざまな人が挑戦しているのです。では、水耕栽培でサラダ菜を育てるためには、どこから始めたら良いのでしょうか。本記事では、サラダ菜の水耕栽培について解説します。
この記事を読むことで、サラダ菜の水耕栽培の方法とポイントが分かります。気になっている方や興味がある方はぜひ参考にしてください。
1.サラダ菜の栽培の基本
サラダ菜を楽しく育てるために、魅力・種類・栽培時期など知っておきたい内容をチェックしておきましょう。
1-1.サラダ菜の魅力、特徴は?
簡単に説明すると、サラダ菜はレタスの一種です。一般的なレタスよりもサラダ菜のほうがキレイな緑色をしているのが特徴で、歯触りがやわらかくやさしい口当たりとなります。子どもから年配の方まで幅広い人が親しみやすい野菜といっても良いでしょう。また、サラダ菜は色味を生かして飾りに使用したり、サラダ菜に肉を巻いて食べたりすることができます。
1-2.栽培時期、環境は?
サラダ菜は通年栽培ができる種類です。日当たりがよく涼しい環境を好む傾向がありますが、真夏にも収穫できる品種もあり、市場に出まわる量も1年を通してほとんど同じ傾向があります。ハウス栽培は12~3月、露地栽培は5~6月・9~10月が収穫期です。特に、日当たりの良い場所で育てると育ちが良くなり、収穫したときに得をするでしょう。
1-3.どんな栽培方法があるのか?
一般的な栽培方法は「土栽培」です。畑やプランターを使用して栽培できます。基本的に、サラダ菜は鉢植え・地植えどちらでも育てることができますが、鉢またはプランターで育てる場合は、底が16cm以上になるものを選んだほうが良いでしょう。具体的な栽培方法に関しては、後ほど【2.サラダ菜の土栽培方法は?】で説明します。
そして、もう1つの栽培方法が「水耕栽培」です。水耕栽培は土をまったく使わず、水と養液だけで育てる方法となります。水耕栽培はベランダや庭がない方、家庭菜園初心者でも簡単に育てられると評判です。こちらの具体的な栽培方法に関しても、後ほど【3.サラダ菜の水耕栽培方法は?】で説明するので、ぜひチェックしてください。
2.サラダ菜の土栽培方法は?
サラダ菜の土栽培に必要な道具や具体的な方法などについて解説します。
2-1.用意するもの、必要な道具
土栽培で必要なものは以下のとおりです。
- 鉢またはプランター
- 種または苗
- 野菜用培養土(自作する場合は赤玉土・腐葉土・バーミキュライト)
- スコップ
- 肥料など
上記の道具を用意しておけば、サラダ菜の土栽培が可能です。土を自分で作る場合は、赤玉土を7、腐葉土を2.5、バーミキュライトを0.5混ぜ合わせてください。石灰を少量混ぜても構いません。サラダ菜は涼しい場所を好み加湿を嫌うため、プランターや鉢の底には赤玉土を敷き詰めたほうが良いでしょう。初心者の方は市販の野菜用培養土の利用をおすすめします。
2-2.どんな種類が良いのか?
サラダ菜のどの種類も土栽培に適していますが、中でも人気があるのが「岡山サラダ菜」です。岡山サラダ菜は、暑さ寒さに強く丈夫なので作りやすい品種となります。また、生育が早いこともあり、すぐに収穫できるでしょう。葉が大きくてやわらかく、食べやすいサラダ菜でもあるのでおすすめです。
2-3.栽培方法、流れ、期間は?
種から育てる場合は、発芽適温となる約15~20℃を意識してください。種まきは苗植えとともに3~4月、または9~10月と過ごしやすい時期がおすすめです。そして、トレーやプランターなどに種をばらまきし、土を薄くかけていきます。覆土(ふくど)が厚いと発芽しないので注意が必要です。土を薄くかけたら発芽するまで水で濡(ぬ)らした新聞をかぶせ、涼しい場所に置きましょう。芽が出始めたら、すぐに新聞紙を取りのぞき、日当たりの良い涼しい場所で育ててください。本葉が2~3枚になったら育苗ポットに植え替え、4~5枚になったらプランターあるいは地植えに切り替えます。春にまいた種は夏ごろ、秋にまいた種は冬ごろに収穫できるでしょう。
2-4.ポイント、注意点は?
初めて家庭菜園をする方は、種ではなく苗から育て始めることをおすすめします。株をギュウギュウに詰め過ぎてしまうと、栄養がすべてに行き届かなくなるので注意が必要です。1つのプランターにいくつもの株を植える場合は、15cmほど間隔をあけてください。また、苗植えをプランターまたは鉢植えで行う場合は、底が16cm以上のものを使いましょう。底が16cm以下のものは加湿によって、根自体が傷むおそれがあります。
2-5.気をつけておきたい病害虫
土栽培の大きな悩みといえるのが、菌核病・灰色かび病・べと病などの病害です。ほとんどの病害は、日当たり・風通し・水はけの悪さが関係しています。また、生育環境が悪くなると、アブラムシなど害虫の被害に遭(あ)いやすくなるので注意が必要です。虫よけネットなど害虫対策を施しながら、常にサラダ菜の様子をチェックしておきましょう。
3.サラダ菜の水耕栽培方法は?
家庭菜園初心者でも簡単に育てられる水耕栽培ですが、ポイントをきちんと押さえておかなければなりません。ここでは、サラダ菜の水耕栽培の方法について解説します。
3-1.用意するもの、必要な道具
水耕栽培で必要なものは以下のとおりです。
- ペットボトル・トレーなど水を入れる容器
- 種または苗
- スポンジ
- カッターナイフ
- 液体肥料など
日当たりが悪い場所で育てる場合は、上記以外に「植物用ライト」を用意したほうが良いでしょう。植物用ライトは太陽光の代わりになるので、暗い室内でもサラダ菜を育てることができます。
3-2.適した種類、専用キットとは?
どの種類のサラダ菜でも水耕栽培で育てることができます。土栽培に適した岡山サラダ菜はもちろんのこと、「バターレタス」「ニュー赤サラダ」でも栽培が可能です。中でも、バターレタスは暑さに強いので作りやすい品種となります。ぜひ、自分のお気に入りの種類を見つけて育ててみてください。自作での水耕栽培が不安な方は、専用キットを活用すると良いですよ。「水耕栽培どっとネット」では、水耕栽培に必要な道具がすべてそろっている専用キットを販売しています。専用キットを利用すれば、1つずつ用意する必要がなく、すぐにサラダ菜の水耕栽培が始められるでしょう。
3-3.栽培方法、流れ、期間は?
水耕栽培は、養液を混ぜた水に根の3分の1を浸すだけでOKです。以下に、ペットボトルの容器を使用した水耕栽培の手順をまとめたので参考にしてください。
- スポンジを小さくカットし、中心に十の字の切り込みを入れ湿らせる
- スポンジの中心に種をのせる
- スポンジが乾燥しないように水を溜めた容器に入れる
- 水が不足したり汚れたりしないように毎日水を入れ替える
- 双葉が大きくなってきたら、スポンジ単位でペットボトルやガラスなどの容器に移す
ペットボトルを容器にする際は、ペットボトルを上から3分の1のところでカットし、飲み口が下になるように挿し込み、藻(も)の発生を抑えるためにアルミホイルを巻きましょう。そして、スポンジをペットボトルの口に差し込み、下のペットボトルに水を入れ根を浸します。
3-4.ポイント、注意点は?
植物は光合成によって成長するため、根から酸素を吸収しなければなりません。根の全体を水に浸からせてしまうと呼吸ができず、生育に悪影響をおよぼすでしょう。そのため、根の3分の1だけ養液に浸(つ)けることが大切です。また、毎日水を入れ替え、規定量に薄めた液体肥料を2~7日に1回加えてください。水耕栽培は、養分を水から吸収するので適度に液体肥料を加えることで生育を促すことができます。毎日水を換えなければ根腐れを起こすおそれがあるので注意してくださいね。
3-5.道具・キットの購入方法は?
水耕栽培が注目されている昨今、園芸店やホームセンターでも水耕栽培関連の道具が購入できるようになりました。しかし、種類が限られているのが現状です。より多くの種類の中から道具をセレクトしたい方は、インターネットサイトを活用してください。「水耕栽培どっとネット」では、多種多様な水耕栽培の道具を販売しています。専用キットも購入できるので、ぜひチェックしてください。
4.サラダ菜の水耕栽培に関してよくある質問
サラダ菜の水耕栽培に関してよくある質問を6つピックアップしてみました。
Q.収穫のタイミングはいつか?
A.葉が12~15枚くらいになり、葉の広がりが20~30cmになれば収穫時期です。収穫の際は、株ごと切り取ってください。葉の量が少ない場合は、下葉を数枚かきとって利用すると良いでしょう。ベランダ等で水耕栽培をする場合は、収穫の時間帯にも注意してください。日中の暑い時間帯を避け、気温が低くなる朝または夕方の収穫がおすすめです。室内で水耕栽培を行う場合は、時間帯を気にせずに収穫できます。
Q.間引きとは?
A.種をまき生えてきた新芽の中から、生命力が強いものを選び、それ以外は取りのぞく作業のことを「間引き」といいます。「新芽を取りのぞくなんてもったいない!」と思われがちですが、間引きをすることで新芽同士の根の衝突や密集を防ぎ、病害虫の予防につながるのです。発芽しても、すべてが元気よく育つわけではありません。生育が悪いものはすぐに取りのぞいていきましょう。
Q.水耕栽培のメリットは?
A.主なメリットは、小さなスペースさえあれば室内でも簡単に栽培できることです。また、管理が土栽培よりも楽なので、健康な野菜を育てやすいでしょう。特に、サラダ菜は成長期間が短く、水耕栽培は土栽培よりも早く成長します。収穫したら、すぐに収穫時期がやってくるため、食費の節約にもつながるでしょう。
Q.水耕栽培でよくある失敗は?
A.水替えを忘れた結果、根腐れが発生したケースです。根腐れの原因の多くは、水質汚染や感染が原因だといわれています。水は殺菌が繁殖しやすい傾向があるため、できるだけ毎日新しい水に替えなければなりません。また、水だけでなく、定期的に容器もキレイに掃除したほうが良いでしょう。藻が発生するおそれがあるため、キレイな状態を維持することが大切です。
Q.どのくらい日光に当てたほうが良いのか?
A.日照不足になると水耕栽培の植物は光合成ができなくなるので、最低でも1日3時間は日光に当ててください。ただし、直射日光が当たる場所は葉が焼けるおそれがあるので要注意です。カーテン越しに日光を当てるなど、工夫を施しましょう。また、葉をより大きく育てるために、植物用ライトを活用してたくさんの光を当てるという方もいます。
Q.購入場所を選ぶポイントは?
A.水耕栽培の道具が豊富にそろっているか、無料相談を受けつけているかなどに注目してください。できるだけ、水耕栽培のノウハウを持っている業者を選んだほうが良いでしょう。また、新商品・新技術が採用されているグッズが販売されているかも要チェックです。中には、高額な料金を請求し質の悪い商品を売るところもあるので、複数の業者を比較してください。比較することで、優良業者と悪徳業者を見極めることができます。
まとめ
いかがでしたか? サラダ菜は土栽培でも育てられますが、水耕栽培よりも病害・害虫の被害に遭いやすいおそれがあります。できるだけ被害を防ぎ、簡単に育てていきたいという方は「水耕栽培」がおすすめです。養液が混ざっている水を使うだけなので、土栽培よりも世話の手間を省けることができます。また、水耕栽培の必要な道具がそろっている専用キットを購入すれば、すぐにサラダ菜を育てることができるでしょう。水耕栽培は、家庭菜園初心者でも気軽に始められるので、ぜひ挑戦してみてください。