水耕栽培を水槽の中で行う方法は? 必要な道具などをご紹介!

人気が高まってきている水耕栽培は、水槽の中でもできることをご存じでしょうか? 水槽の中で行う水耕栽培は、魚を育てながら育成でき、植物の力で水もキレイになるというメリットがあります。水換えの頻度も少なくできるのです。

本記事では、水耕栽培を水槽の中で行う方法とポイントを解説します。

  1. 水槽でできる水耕栽培の基礎知識
  2. 水槽で行う水耕栽培の方法
  3. 水槽の水耕栽培に向いている植物は?
  4. 水槽の水耕栽培に必要な道具
  5. 水槽の水耕栽培に関してよくある質問

この記事を読むことで、水槽の中で行う水耕栽培の方法とポイントが分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.水槽でできる水耕栽培の基礎知識

最初に、水槽でできる水耕栽培の特徴をチェックしておきましょう。メリットもたくさんあります。

1-1.水槽を容器にした水耕栽培

水耕栽培は、容器の中に溶液入りの水を入れ、そこに根っこの3分の2程度を浸らせる方法が一般的です。気軽にできる方法としては、空きペットボトルや瓶などを容器にする方法があります。そして、水槽も水耕栽培の容器に使うことができるのです。もちろん、水槽に魚を入れ育てながら植物も育成できます。

1-2.水槽での水耕栽培はこんな人におすすめ!

水槽での水耕栽培は、水槽で魚を飼っている人や水槽の処分に困っている人です。それぞれ詳しく解説しましょう。

1-2-1.水槽で魚を飼っている人

水槽で魚を買っている方は、定期的に行う水換えが面倒に感じることがあるでしょう。そんな面倒ごとが少なくなる点が、水槽で水耕栽培を行うメリットになります。水槽で水耕栽培をすることで水がキレイになり、水槽のメンテナンスが楽になるのです。

1-2-2.水槽の処分に困っている人

水槽を持て余している方は、要らなくなった水槽を水耕栽培の容器として再利用できるでしょう。使い道に困っている方や処分方法が分からない方にもおすすめです。

1-3.水槽を使った水耕栽培はアクアポニックスと同じ

アクアポニックスとは、魚の養殖と農作物の水耕栽培を意味する単語をかけあわせて作られた造語です。1970年ごろから呼ばれるようになりましたが、この方法は西暦1,000年ごろから行われてきた農法だといわれています。養殖地に魚を放ち、その飼育水を野菜の養分として循環させる仕組みです。そのため、水換えを頻繁に行う必要がなく、魚の養殖と農作物の水耕栽培を同時に可能にする画期的な有機農法として注目が集まっています。水槽で行う水耕栽培は、まさに、アクアポニックスと同じ農法なのです。

2.水槽で行う水耕栽培の方法

それでは、実際に水槽で行う水耕栽培に必要な道具と具体的な方法を解説します。

2-1.必要なものを準備しよう

水槽で水耕栽培を始める前に、まずは必要な道具を準備しましょう。基本的に、必要なものは以下のとおりです。

  • 水槽
  • 土台
  • 液体肥料
  • 水を循環させる道具
  • LEDライト

水槽内で水耕栽培を行うためには植物を固定するための土台が必要です。土台には、発泡スチロールまたはスポンジを使いましょう。水の循環は、植物の栄養吸収に大きく関係するので用意したほうが育てやすくなります。また、植物を育てるためには日光が必要不可欠です。室内で育てる水槽の場合はLEDライトが太陽光の代わりになります。

2-2.栽培方法と主な流れを紹介!

植物の種は水中の中で発芽させることはできないので、種から育てたい方は別の場所で発芽させることから始めましょう。まず水を含んだスポンジに切り込みを入れて、種を植えつけていきます。そして、発芽させた後で苗を水槽内に移植してください。ただし、移植前に、水槽内で育てる準備を整えなければなりません。以下の手順どおりに、水槽の中を整えてください。

  1. 水槽をキレイに洗う
  2. 大きさに合わせた発泡スチロールまたはスポンジを用意する
  3. 水槽の中にカットした土台を入れる
  4. そこに植物の苗を植えていく

発泡スチロールやスポンジの代わりに、目の細かい網・ザルを水槽の大きさに合わせて用意し、その上にハイドロボールを敷き詰めるのも方法の1つです。

2-3.バクテリアの繁殖がポイント

水槽での水耕栽培は、バクテリアの繁殖がポイントです。バクテリアは微生物のことで、魚の食べ残しやフンを分解し、植物の栄養になる形へと変えてくれます。バクテリアが少ないと、植物の栄養も少なくなってしまうのです。バクテリアの繁殖には、数か月から1年以上時間がかかることもあるため、それまでは市販のバクテリア剤などを投入しコントロールする必要があるでしょう。

2-4.フィルターの設置も大事

水槽の水耕栽培で必要不可欠なのが、フィルターです。フィルターは水を吸い込み、ろ材を通過させ、水槽内に排水する、いわゆる、ろ過の働きをする道具です。フィルターを設置することで、植物に必要な栄養だけ与えることができます。要らない汚れを取り除くためのものなので、常に水耕栽培に適した水質を保ち続けることができるでしょう。

3.水槽の水耕栽培に向いている植物は?

ここでは、水槽の水耕栽培で向いている植物や魚を紹介します。

3-1.水耕栽培が可能な植物ならOK

基本的に、水耕栽培で育てられる植物なら水槽でも難なく育てることができます。代表的な植物としては、ルッコラ・リーフレタス・クレソン・バジル・ミントなどです。これらは初心者でも簡単に育てられるので、気軽に始められるでしょう。また、慣れてきたら、トウモロコシ・イチゴ・メロン・トマト・ナスなど中級者向けの野菜にも挑戦できます。ただし、実や根を食べる植物類は、多くの栄養源を必要とするので、循環バランスが取りにくい水槽での水耕栽培には不向きです。

3-2.水耕栽培と一緒に育てられる魚

淡水魚であれば、水耕栽培と同時に育てることができます。観賞用として育てたいなら、水質の変化に強い金魚・テトラなどがおすすめです。アクアポニックスで育てた魚を食べたい場合は、コイ・アメリカナマズ・ティラピアなど水質の変化に強く育つスピードが速い魚がベストでしょう。
熱帯魚はヒーターで水温を高く保つ必要があるなど、育てることが難しいので向いていません。また、魚を入れすぎると循環のバランスが崩れやすくなるため、最初は少ない数から始めてください。

3-3.分からないことは詳しい人に相談する

水槽の水耕栽培で何を育てたらいいのか、どんな植物と魚の組み合わせがいいのかなど、疑問点がある方は詳しい人に相談するのが1番です。アクアポニックスを始めている人が近くにいれば、疑問点を訪ねてみましょう。いない場合は、水耕栽培関連のアイテムを販売している業者へ相談してください。

4.水槽の水耕栽培で必要な道具

前述した水槽の水耕栽培で必要な道具を自分で作る場合の注意点や、専用キットの活用法などについて解説します。

4-1.水槽を自分で作るには手間と時間がかかる

ホームセンター等で気軽に手に入る道具ばかりなので、自分で用意し作るという方が多いでしょう。しかし、初心者の場合は、手間と時間がかかってしまいがちです。水槽での水耕栽培に慣れていないので、土台が不安定になったり、循環用ポンプが正しく設置できなかったりする恐れがあります。自分で作るのが困難で不安な方は、あらかじめ必要なものがセットになっている専用キットを活用してください。

4-2.専用キットを活用しよう

アクアポニックスが注目され始めているので、水槽で水耕栽培ができる専用キットの数も増えてきました。たとえば、インテリア用としても楽しめるオシャレなデザインや、コンパクトでお手軽に栽培ができるタイプなどです。中には、困ったときに対処してくれる無料の電話・メールサポートがついているものもあります。初心者の方は、専用キットを活用してみてはいかがでしょうか。

4-3.インターネットで購入する

エコの要素が強い栽培方法として注目され始めていますが、まだまだ世間に広まっていないのが現状です。そのため、ホームセンターや園芸店では専用キットが売られていないことがあります。そんなときは、インターネットの通販サイトを利用するといいでしょう。水耕栽培関連のアイテムを多く取りそろえている水耕栽培どっとネットでは、専用キットのほか、さまざまな道具が購入できます。無料相談も受けつけているので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。

4-4.悪質な業者に気をつけよう

水耕栽培関連のアイテムを販売している業者の中には、不正を働くところもあります。たとえば、安いものを高く売りつけたり、傷がついた使えない商品を送ったりしてくるなどです。インターネット通販は、実物が見えないので特に注意しておかなければなりません。商品の数が少なかったり、丁寧な対応をしていなかったりする業者には、十分に注意してくださいね。

5.水槽の水耕栽培に関してよくある質問

水槽の水耕栽培に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.より良い水質を保ち続けるコツは?
A.水耕栽培ができる状態にしてからしばらくは、水質のコントロールが不安定になります。そのため、魚の数やエサやりの頻度は少なめにするのがコツです。そして、できることなら水質チェックを定期的に行ってください。水質チェックには、淡水用の試験紙がおすすめです。水質に合わせて魚や植物の量を調節したり、水換えをしたりすることでうまく育てることができます。

Q.魚も一緒に育てる場合の注意点は?
A.植物を入れてすぐに魚を入れないようにしてください。ポンプをまわして1か月程度待たなければ、微生物が増えないからです。すぐに魚を入れてしまうと、バクテリアとの兼ね合いが取れなくなってしまいます。魚を入れても大丈夫な状態になるまで1か月ほど待ち、水質が安定したら最後に魚を入れましょう。もっと早く魚を入れたい方は、市販のバクテリア剤を入れて調節してください。

Q.普通のアクアリウム用の水槽でも利用できるのか?
A.利用できます。できれば、エアーポンプやLEDライトがセットになったものを選びましょう。セットになっているほうが、上手に植物を育てることができます。ただし、金魚鉢はあまりおすすめしません。サイズが小さく、育てられる植物にも限界があります。初心者でも育てやすいサイズに余裕がある水槽を用いたほうがいいでしょう。

Q.飼育水を肥料にすると、野菜の味が変わるのでは?
A.飼育水の中に含まれている窒素・リン・アンモニアなどの量によって、水槽で水耕栽培をした野菜の味に変化が起きることがあります。通常の農作物の栽培では、肥料で窒素の量を調節して作物の味を整えているので、水槽内でも栄養バランスを考えて魚のエサを与えることが大切です。最初は難しいかもしれませんが、魚の数を少なくしてから始めていけばバランスが取りやすくなります。

Q.専用キットはいくらで購入できるのか?
A.多くの専用キットは、だいたい2万~3万円で購入できます。コンパクトサイズなら安いもので1万円以内ですが、できるだけ機能がそろっているタイプを購入したほうがいいでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 水槽でできる水耕栽培は、植物を育てると同時に水槽の水をキレイにしてくれるといううれしいメリットがあります。また、冬の時期は水槽の水換えをするのが面倒になりがちですが、水耕栽培を行えば水換えの頻度を減らすことができるのです。水槽を持っている方は、ぜひ水耕栽培を始めてみてください。必要な道具もすぐに準備できるので、気軽に試すことができるでしょう。


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