LEDで植物や野菜を栽培する方法は? 気を付けるポイントはここ!

LED

省エネで寿命が長いLED。
商品化されて以来、照明やネオンサイン、信号機など幅広い場所で使われています。
実はこのLEDを使えば野菜や植物も栽培できるのです。
そこで今回はLEDを使った野菜栽培や植物栽培の方法をご紹介しましょう。
太陽の光がなくても植物や野菜は育つのでしょうか?
また、誰でも簡単にできるものなのかも気になりますね。
LEDを使った野菜や植物の栽培に興味があるという方や、栽培方法を知りたいという方はぜひ読んでみてください。

目次

  1. 太陽光なしでも植物が育つ理由とは?
  2. LEDで植物を育てている場所とは?
  3. LEDで野菜を育てるメリットとは?
  4. LEDを使って育てられる植物や野菜とは?
  5. LEDを使った植物や野菜栽培を個人で行う方法と注意点とは?

1.太陽光なしでも植物が育つ理由とは?

この項では、LEDで植物が育つ理由をご紹介します。
LEDはなぜ太陽光の代わりになれるのでしょうか?

1-1.太陽の光で植物が育つ理由とは?

植物は「光合成」といって太陽の光から栄養を作って成長をしていきます。
ですから、日当たりの良い場所に育つ植物と、日陰に育つ植物では同じ種類でも成長度合いに差が出るのです。
しかし、最近の研究によると、太陽の光の中でもごく一部が植物の発芽や成長に必要であると分かってきました。
太陽の光は私たちがまぶしいと感じる「可視光線」と紫外線などの「不可視光線」があります。
また、可視光線は虹の色と同じ7色あるのですが、そのうちの青色と赤色の光が植物の成長や開花、結実に特に必要だということがわかったのです。
ですから、人工的に太陽光に含まれている赤や青の光を当ててあげても植物は育ちます。

1-2.LEDでも植物が育てられる理由とは?

LEDは発光波長の幅が狭く、目的の単色光を発光できるという特徴があります。
ですから、青、赤、黄色といったLED電球が商品化されているのですね。
信号やイルミネーションもこの単色光が使われています。このLEDの赤色と青色が太陽光の代わりになるのですね。
実は、人工の光による植物栽培は以前から行われており、これまでは太陽灯や白熱灯が使われてきました。
しかし、これらの光源を使って植物を育てるには、電気代がネックになっていたのです。
LEDならば従来の光源よりも電気代が安く済むうえに寿命も長いので、これを使った大規模な植物栽培もすでに実現しています。

2.LEDで植物を育てている場所とは?

現在はLEDを使った大規模な野菜作りも行われています。LEDを使うと太陽光が必要ないので、屋外で育てる必要はありません。
また土の代わりに養分を溶かした水溶液を使うことで、より衛生的に効率よく野菜を栽培できます。
ですからまるでオフィスが入っているようなビルの中で野菜を育てているところもあるんですよ。
また室内で育てていると、他の畑から害虫や病気がやってくるということもありません。
つまり農薬や除草剤を使う必要もないのです。このような野菜栽培は別名「野菜工場」とも呼ばれています。

3.LEDで野菜を育てるメリットとは?

LEDで野菜を育てると、前述したように無農薬、無除草剤でも野菜作りが簡単に行えます。
また天候に左右されないので、天気によって野菜の収穫量が大きく変わることもありません。
いつでも安定して野菜を供給できるでしょう。
さらに従来の農業は広い土地が必要でした。ですから、地方から輸送費をかけて都市部まで野菜を運搬する必要があったのです。
しかしLEDを使った室内野菜栽培ならば、オフィスビルなどでも野菜栽培が可能。
実際に、東京の「新丸ビル」と大阪の「グランフロンティア」ではそれぞれ飲食店でLEDと水耕栽培により、店舗で使用する野菜が育てられています。今よりももっと技術が進歩すれば、都市部が消費する野菜は都市部で作れるようになるかもしれません。
そうなれば農業の歴史は大きく変わることになるでしょう。

4.LEDを使って育てられる植物や野菜とは?

LEDを使った植物栽培は、基本的にどのような植物も育てられます。
ただし水耕栽培と組み合わせたいという場合は、レタスなどの葉物野菜や一部の観葉植物に限られます。
ですからLEDを使ってどうしても室内で根菜を育てたいという時は、LEDと土壌栽培を組み合わせてください。
ただし、根菜をLEDの光のみで育てるにはまだ課題が多いです。
実験的に行うのならばよいのですが、家庭菜園として行いたいのならば、葉物野菜にしておきましょう。

5.LEDを使った植物や野菜栽培を個人で行う方法と注意点とは?

では最後にLEDを使った植物や野菜栽培を個人で行う方法や注意点をご紹介します。
今は必要なものがすべてそろったキットも販売されていますので、ぜひ活用してください。

5-1.LEDで植物を育てる際に必要なものとは?

LEDで植物を育てる際は、

  • LED光源
  • 肥料などの入った水溶液
  • 植物を育てる器
  • 植物の苗

などを準備しましょう。
ひとつひとつそろえてもよいですが、今はすべてのものがセットになった便利なキットも売っています。
初チャレンジならばそれを利用したほうが無難でしょう。
また、ぜひ水耕栽培の装置から手作りしてみたいという方は、手作りの道具で水耕栽培を行っている人のサイトやブログを参考にするとうまくいきます。

5-2.水耕栽培を行う際の注意点とは?

水耕栽培とLEDを組み合わせて室内で植物や野菜を育てたい場合、根への酸素供給を怠らないようにしましょう。
土壌栽培の場合は、土の隙間から根へ酸素が供給されています。
しかし、根のすべてを水につけてしまうと酸素が行きわたらず根腐れの原因となるでしょう。
水中の根に酸素を供給するには、エアーポンプで空気を送り続けるか、浮き島を作り、根の一部を水上へ出しておく必要があります。
キットを購入した方はその旨も書かれてあるはずなので、必ず守りましょう。

5-3.LED光源は植物にあったものを使おう

初めての方がLEDを使った植物栽培に失敗しやすい原因は、LED光源が植物を成長させるのに足りなかった、という場合が多いです。
植物をたくさん育てたり、大きくするにはそれだけたくさんのLED光源が必要。
ですから、LED光源はできるだけ大きめのものを購入してください。LED光源が足りない、という場合は応急処置として室内の日当たりの良い場所に植物を移動させましょう。
そして、できるだけ早くLED光源を追加しましょう。さらに、あまり大きな植物を育てないことも大切です。
最初は手のひらサイズの小さなものから始めてみましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はLEDを使った植物栽培や野菜栽培についてご紹介しました。
まとめると

  • 青色と赤色のLEDは太陽光の代わりになる
  • LEDと水耕栽培を組み合わせれば、無農薬で野菜を作ることも可能
  • LEDを使った野菜作りが進歩すれば、農業の形が変わるかもしれない
  • 個人でLEDを使った植物栽培をしたい場合はキットを使うと便利

ということです。現在は水槽のような容器でLEDを使った植物栽培を楽しんでいる方は多いでしょう。
また、しゃれた容器を使えばインテリアの一種としても楽しめます。
さらに、お子様の夏休みの自由研究としても面白いとですね。
LEDというと、イルミネーションや電灯、信号機などに使われているというイメージが強いのですが、植物を栽培する力もあります。
現在はレタスなどの葉物野菜しか育てられませんが、技術が進歩して果物や根菜、さらに稲などが育てれるようになったら、日本の農業は大きく変わることでしょう。
東京や大阪のど真ん中で稲作や野菜栽培ができるかもしれません。そうなればいつでも新鮮で安全な野菜が食べられます。


オリジナル水耕栽培システムの提案も