夏の暑さも一段落しましたが、9月はまだまだ台風シーズンです。家庭菜園をやっている方は、台風による被害が心配という方も多いでしょう。そこで、今回は家庭菜園の台風対策についてご説明します。台風対策をおこたると、野菜だけでなく近隣住民にも迷惑がかかる可能性があるのです。特に、ベランダで野菜を栽培している方は要注意でしょう。
家庭菜園を行っているという方やベランダガーデニングをやってみたいと思っている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.台風によって家庭菜園が受けやすい被害は?
始めに、台風によって家庭菜園が受けやすい被害をご説明します。場合によっては家庭菜園の道具が凶器になることもあるのです。
1-1.雨による被害
トマトやナスなどは、収穫間際の実が雨に当たると割れてしまいます。また、激しい雨が降ると池のようになってしまう畑は少なくありません。苗や種を植えている場合は、雨によって土ごと押し流される可能性もあるでしょう。また、ベランダで家庭菜園を楽しんでいる場合は、今までプランターからこぼれた土が排水溝を詰まらせるかもしれません。そうなると、雨水がオーバーフローを起こして階下へ水もれする危険があります。
1-2.風による被害
台風がくると、激しい風もふきます。直撃すれば、車でも吹き飛ぶほどの暴風になることも珍しくないでしょう。しかし、大地に根を張っている植物は強いです。雑草などが台風で吹き飛ばされた、という話はききませんよね。でも、背が高くなるキュウリやトマトなどの農作物は要注意。これらの作物は背が高くなりますが、支柱で支えてあげないと自立できません。ですから、強風がふくと倒れやすいのです。
もうひとつ危ないものは、グリーンカーテン。ゴーヤやキュウリなどつる性の植物を窓の外にはわせるグリーンカーテンは、省エネ効果が高いといたるところで実施されています。このグリーンカーテンも、風に弱いのです。ネットごと飛ばされる被害も多いといいます。さらに、高層住宅ほど風の被害は強いです。
5階以上でベランダ菜園を楽しんでいる方は、風の強さによってはベランダや植木鉢が飛んでしまうかもしれません。ひっくり返るくらいならよいのですが、下に落ちて通行人がケガをすれば大変です。
また、農作業の道具にも注意が必要。じょうろや支柱など軽いものは、風で飛ばされる可能性があります。近所の家の窓や屋根に当たれば、屋根を傷つけたり窓を割ったりする危険があるのです。
2.台風がくる前にしておくことは?
では、台風がくる前に何をしておけば、被害を最小限に防げるのでしょうか? この項では、台風対策のひとつとして、大夫が来る前にやっておくことをご説明します。
2-1.苗は土寄せをしておく
発芽したばかりの苗がある場合は、土寄せをしましょう。完全にとはいきませんが雨や風による被害を防げます。また、台風の季節に種植えをする場合は、じかまきではなく苗ポットなどに植えましょう。そうすれば、台風がくる前に室内に避難させられます。
2-2.支柱をしっかりと立て直し収穫できる実は収穫する
支柱がゆるんでいると倒れやすくなりますので、しっかりと地面にさし直しましょう。また、収穫できる実は収穫してしまいます。少々早いかな、という実も取っておいた方がよいでしょう。ただし、丈の低い作物はそれほど心配ありません。
2-3.じょうろや支柱などを屋内に片付ける
じょうろや支柱など、軽い道具は屋内に片付けましょう。支柱などは散らばらないように束ねておくとよいですね。また、農機具小屋があるという場合も上体を確認してください。長年使っている古い木造の農機具小屋は、まれに台風で倒壊する危険があります。
2-4.排水溝を掃除する
ベランダで家庭菜園やガーデニングを行っている方の場合は、排水溝を掃除しましょう。土や葉っぱで詰まっているかもしれません。また、防火壁のそばに道具などが積んである場合は、すぐに移動させてください。植木鉢やプランターも同様です。
2-5.室内に入れられるものは室内に入れる
プランターや植木鉢は、可能な限り室内に入れましょう。どうしてもはいらない場合は雨風の当たらない場所に置くか、ロープや針金でしっかりと固定します。土が散らばらない場合は、横に倒しておくという方法もあるでしょう。背が高い植物ほど雨風の被害を受けやすいです。
2-6.グリーンカーテンは下ろしておく
グリーンカーテンは、網ごと地上に下ろしてください。8月の終わりから9月の初めになると、グリーンカーテンもだいぶ枯れてきます。よい機会ですから始末してもよいでしょう。また、グリーンカーテンが終わった後に網だけが残っているという場合も、忘れずに網を下ろしてください。
3.台風が無事に通過したら?
台風が無事に通過したら、被害を確認しましょう。何もなければそれに越したことはありません。支柱が倒れていた場合は、支柱ごと作物をゆっくり起こしてあげましょう。残念ながら元通りにはなりませんが、植物の生命力を信じてできるだけまっすぐにしておきます。無理に力を入れると折れてしまうので要注意。
また、ベランダで家庭菜園やガーデニングをしている人は、排水溝をチェックしてください。ゴミや土が積もっている可能性があります。隣のベランダまで土が散らばってしまったら、謝りに行きましょう。無視しているとご近所問題になります。
さらに、どれほど気を付けていても所有している道具が飛んで、よその家を傷つけてしまうかもしれません。そのような場合は、何が飛んできてどのようなものを傷つけたのか、きちんと話をききましょう。台風のときはいろいろなものが飛んできます。ですから、納得がいかない場合もあるかもしれません。
そのような場合は、冷静に話し合いましょう。ただし、風の力が加われば軽いものでも家を大きく傷つける場合があります。だからこそ、園芸道具はきちんと家の中にしまっておいてください。さらに、畑が水浸しになってしまったという場合は2〜3日様子を見ましょう。土には吸水力があります。慌てる必要はありません。土が乾けばだんだんと水も引いていくでしょう。無理に農作業をしようとすれば、かえって大変なことになります。
おわりに
今回は家庭菜園の台風対策についてご紹介しました。
まとめると
- 台風がくる前に収穫できるものは収穫しておく。
- ベランダ菜園を行っている場合は、排水溝の掃除をしておく。
- 風で飛びそうなものは片付けておく。
- 背が高い作物ほど影響を受けやすいので注意する。
- 台風が通過したら倒れた作物を起こし、改めて排水溝を掃除しよう。
ということです。
8月9月というと、夏野菜の季節。トマトやナス、キュウリなどを育てている方も多いでしょう。ですから、台風の前にできるだけ収穫しておいてください。
また、そろそろ収穫も終わりで、枯れてきたという場合は台風がくる前に片付けてしまいましょう。台風が直撃した場合、地面にさしておいた支柱が吹き飛ぶ可能性もあります。支柱は細いですが丈夫です。ですから、窓ガラスなどを割ってしまうかもしれません。さらに、車を傷つける可能性もあるでしょう。そうならないように、できるだけのことをしておいてください。