斑点細菌病とは?症状と原因を知れば予防できる!

ガーデニングを趣味にしている人なら、斑点細菌病の原因や症状について知っておくべきでしょう。野菜や草花などの植物を育てているとさまざまな病気が発生します。その中の1つが、斑点細菌病。キュウリやピーマン、ニンジンなどによくある病気です。対策を知る前に、まずは斑点細菌病の症状や原因について把握しておきましょう。

ガーデニングを楽しむために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

  1. 斑点細菌病の症状
  2. 斑点細菌病の原因
  3. 斑点細菌病の予防対策

1.斑点細菌病の症状

斑点細菌病の症状とはどのようなものなのでしょうか。初期症状や悪化したときの症状についてご紹介します。

1-1.初期症状は淡い黄色の斑点

斑点細菌病の初期症状は、葉や茎に現れる淡い黄色の斑点です。最初は針で突いた程度の大きさであるため、よく観察しないと分からないでしょう。斑点は次第に大きくなり、褐色に変化していきます。葉脈に沿って小病斑が合体しながら進行し、その周囲は黄色く縁どりしたようになるのが特徴です。

葉の症状だけ見ると「べと病」や「炭そ病」に似ています。しかし、斑点細菌病では葉に穴が空くことはほとんどないでしょう。

1-2.放っておくと株が枯死することも

斑点細菌病を見つけたら治療することが必要です。もし治療せずに放っておいた場合、小病斑がつながって拡大し、大きくなっていくでしょう。病気が蔓延すると最後には葉が腐敗し、株が枯死することもあります。斑点細菌病は菌が原因であるため、原因菌が泥の跳ね返りなどによってほかの株に伝染し、畑全体に広がってしまうこともあるでしょう。

1-3.発生する時期と発生条件

斑点細菌病が発生しやすいのは4月~11月と言われています。特に、夏の高温期に多湿になると発生しやすいでしょう。28℃前後で最も原因菌が活発に活動するため、ハウス栽培では特に注意が必要になります。土壌が20℃以上の高温になると土中で越冬した原因菌が繁殖をはじめるのです。

そして、夏場の高温期に降雨や水やりなどで、細菌を含んだ泥のはね上がりが葉や茎の傷口にかかると感染します。地上に出た最近は風などで飛ばされて空気感染するでしょう。斑点細菌病は種子伝染するため、病気に感染した種子や苗を持ち込むことでも感染してしまいます。夏場だけでなく発生期間が長いため、年間をとおして対策をしておく必要があるでしょう。

斑点細菌病は、葉や茎に黄色い斑点ができる病気なんですね。
はい。症状が進むと株が枯死してしまうこともあります。

2.斑点細菌病の原因

斑点細菌病の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。原因を知ることで正しい対策をすることができるはずです。斑点細菌病の原因は、ほとんどがカビによるもの。カビには非常に多くの種類のものがあり、繁殖して植物に被害を及ぼすには適度な温度と湿度が必要です。比較的温度が高く雨が続く梅雨期などに被害が目立ちます。適温になるとカビで作られた胞子が風などで運ばれ、植物に付着するのです。

そして、付着後に雨などで植物体がぬれるとそこに付着した胞子が活動を始め、発病します。発病後、病斑部が変色するのは細胞が死滅するためです。死滅した細胞は元に戻ることはありません。病原菌は風以外にも、水によって移動することもあるでしょう。雨水のはね上がりで葉裏に付着することもあります。冬場は落葉した被害葉や被害果実などでそのまま越冬するのも特徴です。

斑点細菌病の原因はカビなんですね。
はい。ですから湿度が高いほど発生率があがります。

3.斑点細菌病の予防対策

最後に、斑点細菌病の発病を防ぐための方法をいくつかご紹介します。また、発病してしまった場合の対処法についても知っておいてください。

3-1.斑点細菌病の予防法

斑点細菌病にならないように事前に予防しておくことが大切です。まずは、畑の水はけをよくしておきましょう。プランターの場合は鉢底石を底に入れておくことをおすすめします。水やりは控えるようにしてください。特に多雨時期は適度な灌水を心がけましょう。種子感染を防ぐために、消毒済みの種子を利用するようにしてください。

また、風とおしをよくすることも斑点細菌病の予防につながります。葉が込み合っているときは、風とおしをよくするために摘葉するようにしましょう。作業に使用する道具から感染する可能性もあるため、使用後は洗浄と天干し消毒を忘れないようにしてください。

道具による感染を防ぐために、苗を切る作業は降雨時に行わないことをおすすめします。病気の発生が多くなる時期には、殺菌剤を定期的に散布することで発生を予防することもできるでしょう。ほかにも、以下のような予防方法がおすすめです。

  • 無病の種子を用いる
  • 無病土を用いて育苗する
  • マルチ栽培や加湿を行い、ハウス内湿度が高くならないようにする
  • 発病を助長する窒素肥料の過用を避ける

3-2.斑点細菌病が発生してしまったら

斑点細菌病が発生してしまったら、病気の枝を優先的に切り落としてください。切り落とした枝や落葉、枯れた植物などには病原菌が残っている可能性があります。拾い集めて焼却処分し、病気の発生源を取り除きましょう。放っておいても病気が自然に治ることはありません。大切なのは、発見した時点で取り除き、病気が拡大するのを防ぐことです。

3-3.斑点細菌病を拡大させないために

斑点細菌病が株の下葉だけに現れたときは、すぐに葉を畑から持ち出して処分しましょう。茎や葉柄に病気が発生した場合は枝ごと切り取ってください。中途半端に残してもほかの株に伝染してしまうだけです。病気が株全体に広がってしまうと、原因菌が飛び散ってさらにほかの株に伝染してしまう可能性もあるでしょう。できるだけ初期段階のうちに治療することが大切です。生育初期や収穫前の薬剤使用であれば、人体への影響はほとんどありません。

3-4.斑点細菌病におすすめの薬剤

斑点細菌病は、薬剤を使わずに土壌中から原因菌を完全に除去するのが難しい病気です。指定の量と回数を守って、安全に薬剤を使用するようにしましょう。斑点細菌病におすすめの薬剤には、次のようなものがあります。

まずは、斑点細菌病をはじめ、細菌やカビが原因で起こる病気に効果がある「サンボルドー」です。銅イオンの殺菌効果を利用した薬剤で、毒性が低いのが特徴。ミツバチやテントウムシなどの益虫にもほとんど影響がありません。

また、斑点細菌病の発症後にも効果のある「コサイド3000」もおすすめ。同じように銅イオンの殺菌効果を利用しているため、益虫への影響も心配ありません。斑点細菌病と症状が似ている「べと病」や「炭そ病」にも効果があるため、万が一病気を間違えても症状の回復を期待できるでしょう。発症後に効果のある薬剤は少ないため、この薬剤を用意しておくと安心です。

畑の水はけを良くし、病気が発症したら早めの対処が大切なんですね。
はい。感染した枝葉を取り除いたり、薬剤を使ったりしましょう。

まとめ

ガーデニングを行う上で知っておくべき「斑点細菌病」という病気。その原因や症状、予防法についてお分かりいただけましたでしょうか。斑点細菌病は、レタスやキュウリ、トマトなど、さまざまな植物で発生しやすい病気です。どうすれば予防できるのかをあらかじめ知っておき、ガーデニングを楽しく快適なものにしてくださいね。


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