オクラの正しい栽培方法は? 病気や害虫に負けない育て方

家庭菜園でオクラを栽培してみたいと思いませんか? オクラの栽培は意外と簡単で初心者にもおすすめです。プランターや水耕栽培での育て方についても知っておくとよいでしょう。オクラの栽培に適した時期、病気や害虫対策をまとめてみたいと思います。「オクラを種から栽培したい」「オクラを育てる時期とは?」「病気や害虫対策を知りたい」そんな家庭菜園初心者の方、必見です。

  1. オクラの栽培方法
  2. オクラに多い病気は?
  3. オクラの害虫対策

1.オクラの栽培方法

まずは、オクラの栽培方法を手順どおりにまとめてみましょう。

1-1.土作りと苗の選び方

オクラをプランターで栽培する場合は、標準サイズ以上の深型タイプを使用しましょう。オクラは根を深く張る特徴があるため、30cm以上の深さが必要になります。栽培用土は、市販の培養土を利用するのが簡単です。オクラは多湿を嫌います。水はけをよくするためにメッシュ付きのプランターを使用するのがおすすめです。オクラを種から育てるのは難しいため、初心者は苗を購入するとよいでしょう。

大きく育ちすぎているものよりも、本葉が3~4枚で葉にツヤがあるものを選ぶようにしてください。ホームセンターなどで購入できるオクラの苗は、通常2~3本立てになっています。その株を分けて植えてしまうと根が切れたり傷んだりする原因になるのです。定植後は育ちのよい苗だけ残して後は切ってしまいましょう。

1-2.種から育てるには?

オクラを種から育てるときは、管理が悪いと発芽しないこともあります。1か所に2~3粒ほど種子をまき、本葉が2~3枚出たころに、育ちのよい苗だけを残すようにしましょう。土が乾燥しないように注意し、ポットで苗を作ることをおすすめします。オクラの種は固いため、発芽しやすいように、一晩常温やぬるま湯につけておくとよいでしょう。

1-3.苗の植え付け

ポットから苗を取り出すときに根鉢が崩れないように注意が必要です。取り出す前に水分を与え、苗を指の間に挟んで押し出すようにするとうまくいくでしょう。根鉢は用土と同じ高さに植えるようにします。プランターで育てる場合は、最低でも株間を25cm以上離すように植え付けましょう。ただし、露地栽培の場合は、株間を40cm以上離して植え付けることをおすすめします。葉が干渉せず日当たりがよくなるため、収穫量を増やすことができるでしょう。

1-4.水やりについて

種をまくのは気温が上がってくる4月下旬から6月上旬ごろ。用土が乾燥しないように十分水やりを行いましょう。植えた種が乾燥すると枯れてしまって発芽しないことがあります。苗を定植して根付いてからは、土の表面が乾いたときに水やりを行ってください。水やりは、回数を増やすよりも1回の量を多くする方が効果的です。

1-5.支柱を立てる

オクラの草丈が30cm程度まで成長したら、風で倒れないように支柱を立てましょう。支柱と茎の節とをゆるく結ぶのがポイントです。オクラは成長すると草の丈が1~2mほどになるため、支柱は長いものを利用することをおすすめします。プランターで育てる場合は、底が浅いため隣の支柱とつなぐようにして補強しましょう。

1-6.追肥について

本葉が5~6枚になると一気に成長を始めます。そのタイミングで1回目の追肥を行いましょう。収穫を長く楽しむためには、肥料切れにならないように注意が必要です。2週間に1回のペースで追肥を行うようにしましょう。1回あたりの量は約10g。株元から離れた場所に、全体的にばらまいてください。固形肥料の代わりに、水やりを兼ねて液肥を与えても構いません。その場合は、1週間に1回のペースで与えましょう。

1-7.収穫

オクラは定植後2か月くらいからが収穫適期です。開花して約1週間のタイミングで収穫することをおすすめします。収穫した果実は、下の葉をすべて摘み取っておくようにしましょう。切らずにそのままにしておくと養分や水分が葉の方に流れてしまいます。

オクラは苗から育てることがおすすめなんですね。
はい。プランターでも栽培できます。

2.オクラに多い病気は?

オクラは適切に管理しないと病気になってしまうこともあります。オクラに多い病気をご紹介しましょう。

2-1.ウイルス病

5~7月に発生しやすいのがウイルス病です。葉が縮んだり丸まったりするのが特徴。また、濃淡のあるモザイク模様や、葉に奇形を生じることもあるでしょう。アブラムシのような害虫を媒体して感染し、有効な治療薬はありません。症状が出た葉を早めに取り除き、ウイルス病がほかの葉や株に伝染するのを防ぎましょう。同時に、害虫の駆除を行います。ウイルスは風や雨によっても運ばれ、オクラにある傷口からも感染するでしょう。収穫するときは、必要以上に株を傷つけないように注意してください。

2-2.苗立枯病

茎の根元が細くなり、茶色く変色して立ったまま枯れるのが立枯病です。土壌中のカビが原因で発生し、上部から病気が進行します。梅雨時期など雨が続いて土壌が多湿な環境で発生しやすくなるでしょう。放っておくとほかの株に次々と広がるため、早期の対策が必要になります。立枯病の原因菌には、太陽光消毒と熱消毒が有効です。

プランターで育てている場合は、用土を新聞紙などに広げて太陽の光に当てるようにしましょう。育苗用の培養土は、畑から持ち込まずに新しいものを使用してください。畑の用土を使うときは、熱消毒を済ませておくことをおすすめします。立枯病が株全体に発病した場合は、株ごと処分するか薬剤治療をするしか方法はないでしょう。

オクラはウイルス病などに注意が必要なんですね。
はい。毎日様子をチェックして早期発見に努めましょう。

3.オクラの害虫対策

最後に、オクラを育てる際に知っておくべき害虫対策をご紹介します。

3-1.オクラに発生する害虫

オクラに発生しやすい害虫にはアブラムシがあります。葉の裏につきやすいため、こまめに観察するようにしましょう。アブラムシを見つけた際は、ティッシュペーパーなどで取り除くようにしてください。

また、ハマキムシにも注意が必要です。ハマキガの仲間であり、自分で出す粘液で葉を丸め、その中に住み着きます。そのままにしておくと葉を食害してしまうため、丸まっている葉を見つけたときは切り落としてください。

3-2.害虫の予防方法

害虫は、若くて柔らかい葉が好物です。「苗がまだ小さいので大丈夫だろう」と油断するのは危険でしょう。最悪の場合は枯れてしまうこともあります。予防対策としては、毎日葉の裏までチェックするクセを付けること。害虫がいるのを見つけたら、すぐに取り除きましょう。

特に、ハマキムシの場合は葉ごと取り除くことになります。取り除いた葉を苗の近くに捨ててしまうと移動する可能性もあるため、離れた場所で処分するようにしましょう。

また、必要に応じて薬剤を使用することも大切です。家庭菜園と言うと無農薬にこだわりたいイメージがあります。しかし、うまく手入れができないと感じたときや、虫の食害に不安を感じたときは、適量の薬剤を使用しましょう。近年は植物由来の農薬も増えてきており、過剰に抵抗するほどの影響はありません。害虫の影響でオクラが枯れてしまうよりはよいのではないでしょうか。

オクラはアブラムシに注意する必要があるんですね。
はい。見つけたら葉ごと取り除きましょう。

まとめ

家庭菜園初心者にも人気のオクラ。おいしく育てることができたらうれしいですよね。正しい栽培方法を知り、楽しみながらオクラを育ててください。病気や害虫対策をしっかり行うことできっと成功するはずですよ。


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