クレソンはピリッとした辛味が特徴的な野菜です。独特な香りも持っているため、カフェやレストランではさまざまなメニューに使っています。おしゃれな印象が強いクレソンは自宅でも栽培できるものです。
そこで、クレソンの栽培方法や基本的な育て方、栽培の注意点とポイントについて詳しく説明します。クレソンの育て方を知りたい人、家庭菜園初心者はぜひ参考にしてください。
1.クレソンの栽培方法
栽培難易度は非常にやさしく、初心者でも簡単に育てることができます。クレソンを上手に栽培するためにも、基本的な栽培方法をしっかり確認していきましょう。自分にとって栽培しやすい方法を選択してくださいね。
1‐1.プランターで育てる
一般的な栽培方法は土を使った「プランター栽培」になります。庭がある人はあいているスペースで栽培ができるでしょう。スペースがないベランダやマンションの場合は「プランター」を活用してください。プランターと用土、種・苗を準備すれば簡単に始めることができます。
まずは、プランターに用土をいれて種をまいてください。種まきは4~5月、または9月が最適です。種から育てるのが面倒な人は苗を購入するといいでしょう。発芽して本葉が2~3枚になったら生育の良いもの以外を間引きます。
間引きとは少数の苗を残して成長をうながす作業のことです。間引きをした1~2か月後には収穫できるようになるでしょう。間引きをするかどうかが栽培のポイントにもなります。
1‐2.水耕栽培に適している種類
土いじりをしたくない人は「水耕栽培」がおすすめです。水耕栽培は養分が入っている液体で育てる栽培方法になります。実は、クレソンは水耕栽培に適している野菜だと言われているのです。もともと水辺に育成する植物なので、水耕栽培でもよく育つでしょう。
水をはった容器を用意して溶液をつくってください。プラスチックやバスケットの容器に砂と株をいれて植えつけます。そして、水をはった容器にバスケットをひたすと水耕栽培の準備が完了です。
ほかにも、発泡スチロールを利用した水耕栽培もあります。自分でつくるのが不安な人は水耕栽培の専用キットを利用するといいでしょう。インターネットではさまざまな種類の専用キットが購入できます。
1人暮らしの狭い部屋でも栽培できるのでおすすめです。気候にも影響することなく、1年中栽培できるでしょう。
1‐3.クレソンを増やす方法
クレソンは簡単に増やすことができる植物です。増やし方は初心者でもできる「種まき」と「さし木」になります。クレソンを次々と収穫した後、種まきをしていきましょう。
先述したとおり、種まきに最適な時期は4月~5月と9月になります。別の時期に種まきをしたらうまく育ちません。植物によってベストな時期が決まっているので必ず守ってください。そして、もう1つの方法が「さし木」です。
さし木とは、さまざまな植物の繁殖方法になっています。クレソンを適当の長さに切って、茎を用土や水にさしてください。自然と根が出てくるでしょう。ちなみに、さし木は春と秋がベストな時期になります。
2.クレソンの育て方
2‐1.生育環境と水やり
家庭菜園を始めるとき、植物によって快適な生育環境を整えていかなければなりません。クレソンは室内での水耕栽培でも可能です。水耕栽培で育てる場合、専用キットの中にいれるので室温は関係ないでしょう。
自分で水耕栽培をする、プランター栽培の場合は室温や太陽の光に注目してください。基本的に、クレソンは涼しい気候を好みます。日差しが強い夏は弱くなってしまうのです。よって、真夏は日陰で風とおしの良い場所で育ててください。
逆に、冬は寒くなるので最低でも5℃~8℃以上の気温を保つことが大切です。そして、水やりは土の表面が乾いたら与えていきましょう。水のやりすぎは逆効果になるため、適度に水やりを続けてくださいね。
2‐2.使用する用土と肥料
プランター栽培の場合、クレソンに適した用土を準備しなければなりません。クレソンに適した用土は、基本的に「水はけがいいもの」を準備してください。水はけがいい用土は、赤玉土6・腐葉土3・砂1の割合になります。水はけが悪い用土は根が腐りやすくなるでしょう。受け皿に水がたまったときはすぐに捨ててくださいね。
そして、適度に肥料を与えていかなければなりません。植物にとって肥料は育つために必要なものです。最低でも10日に1回は肥料を与えていきましょう。さまざまな種類の肥料はありますが、液体肥料でOKです。
ただし、真夏の暑さや冬の寒さで弱っている場合は肥料を与えてはいけません。逆に、クレソンが弱ってしまいます。
3.クレソンの栽培ポイントと注意点
3‐1.栽培ポイントは「収穫」と「手入れ」
クレソンの栽培ポイントは「収穫」と「手入れ」の2つになります。クレソンは種・苗を植えつけて発芽した1か月~2か月後に収穫できるようになるでしょう。基本的に、茎が伸びて葉がたくさんしげってきたら収穫時期です。収穫時期に次々とつみ取っていかなければすぐに腐ってしまいます。ほかの茎にも影響を与えるため、定期的につみ取ってくださいね。
また、先端からつんでもいいですよ。わきの部分から新しい芽が出てくるでしょう。クレソンは花が咲くと茎が硬くなってしまいます。硬くなった茎はNGなので、できればつぼみのうちにつみ取ってくださいね。スムーズにクレソンを育てるためにも、収穫と手入れを定期的におこないましょう。
3‐2.病気と害虫を徹底的に防ぐ
家庭菜園の問題としてよくあがっているのが「病気」と「害虫」です。初心者が必ず当たる問題だと言われています。いかに、病気・対策ができるかどうかでクレソンの育ちにも関係してくるでしょう。クレソンによくつく害虫は「ハダニ」「コナガ」「アオムシ」の3つになります。ハダニは葉の裏に寄生する虫でクレソンの栄養を吸うものです。
ハダニの被害は葉っぱの色が変わる、斑点やかすり傷をつけるなど症状が出てきます。そして、「コナガ」は葉っぱに産みつけた卵がふ化して幼虫が葉っぱを食べるでしょう。幼虫を見つけたときはすぐに被害にあっている葉っぱを切り取ってください。
大量発生した場合は殺虫剤を利用します。「アオムシ」は初夏に発生しやすい害虫です。大きいものを見つけたらすぐに株から引きはがさなければなりません。できるだけ、病気・害虫を防ぐためにも毎日クレソンをチェックしていきましょう。
まとめ
クレソンの栽培方法や育て方、栽培ポイント、注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。主な栽培方法は「プランター栽培」と「水耕栽培」になります。土いじりが好きな人はプランター栽培、土を使いたくない人は水耕栽培がおすすめです。
クレソンは水耕栽培に適している植物でもあります。狭い空間の1人暮らしでも水耕栽培で育てることができるでしょう。土を使わないので病気・害虫の心配もありません。
ただし、水にいれる養液の量は適した量を維持してください。養液が多くても少なくても根が腐りやすくなってしまいます。以上のように、クレソンを育てる前には必ず必要な知識を身につけてくださいね。身につけた知識を生かしつつ、上手にクレソンを栽培していきましょう。