パクチーはタイ料理などエスニックなメニューに使われ、中国語ではシャンツァイとして愛用されています。
地中海東部原産で、古くから食用として取り入れられてきました。独特の香りを持つため、パクチーの好き嫌いはわかれます。しかし、ひとたび好きになると、とりこになる方もいるほどのおいしさです。
最近では、パクチー専門店もあるほど人気があるハーブとして知られています。パクチー専門店ではすべての料理にパクチーが添えられ、パクチーを好きなだけお代わりできるという特典も魅力の1つとなっているのです。
パクチー好きな方は、自宅でも食べたいと思うことがありますよね。実は、ほかのハーブ同様に自宅での栽培が可能です。特に注目されているのは、水耕栽培。コツを掴(つか)んで育ててみましょう。
1.パクチーを水耕栽培で育てる方法
ハーブの栽培といえば、土を使ったものが一般的だと思います。しかし、パクチーの魅力の1つとして挙げられるのは、土を使わず水耕栽培できること。水耕栽培は専用キットがありますので、ぜひ活用してみてください。
1-1.必要なもの
室内で栽培できる水耕栽培キットが販売されています。初心者の方なら、水耕栽培キットを準備するだけで簡単にスタートできるでしょう。室内での栽培は、気温の変化に左右されることながありません。1年中、おいしいパクチーを楽しむことができる便利なアイテムが、水耕栽培キットです。
市販の栽培キットには必要なものがすべて入っていますが、自分で必要なものを揃(そろ)えるだけでも始められます。用意したいのは、容器・液体肥料・水耕栽培地にするためのスポンジです。
1-2.場所
パクチーは日あたりのいい場所を好む性質があり、高温多湿と霜に弱いのが特徴です。室内での水耕栽培なら、霜で傷む恐れは少ないでしょう。
日あたりにいい場所を選ぶと育ちやすいのですが、半日陰でも問題ありません。栽培期間中は場所を変えるのを嫌うので、定位置を決めるようにしてください。
1-3.苗と種の選び方
大きな苗は避けるべきです。小さい苗に比べ、根づきがよくない傾向があります。
種はそのまままかず、発芽しやすいように2つに割り、中に入っている種子をひと晩水に浸(ひた)しておいてください。苗や種は、園芸店やホームセンターで購入できます。
1-4.植える時期
20℃がパクチーにとって最も成長しやすい温度です。種まきや植えつけ時期は、春と秋が適しています。秋まきの方が長くパクチーを楽しむことができるでしょう。春まきの場合、季節が進むと温度が急上昇し、茎が成長して葉を固くしてしまいます。風味も落ちてしまうため、安定した温度で栽培できる秋まきの方がおすすめです。
1-5.収穫時期
パクチーをおいしく楽しむためには、開花前には収穫を終えることが大切です。開花後は、葉が固くなって風味も悪くなります。葉の数も減ってくるため、花芽が出たら早めに収穫してください。
1-6.自作キットでも栽培可能
使用後のペットボトルを使い、自分で栽培キットを作ることも可能です。ペットボトルの口に近い傾斜部分を横にカットし、栽培用地ボトルとロート状の植え口を用意します。
ボトルには水と溶かした肥料を入れてください。キャップを外した飲み口部分を逆さまにボトルへ挿します。飲み口に苗を挿すだけで栽培することができ、費用をかけずに始められるのがメリットです。
2.育て方のポイント
パクチーは日あたりのいい場所なら、室内でも収穫を十分楽しむことができます。種まきから2か月程度で葉が育ち、食べることができるようになるでしょう。
2-1.水の交換
育てるときのポイントは、水の交換を1週間に1回行うことです。生育に応じ、水が不足するようなら水を足してください。水量の目安は、容器の7割まで入れるようにします。水の入れ替え時には、誤って根をきる・傷つけることがないよう注意してください。栽培場所は定位置を決め、なるべく日あたりのいい場所に置くようにしましょう。
2-2.水耕栽培のメリット
土を使わないため、収穫効率も上がり、虫がわかないメリットがあります。土を使う栽培方法では、連作障害を起こすこともありますが、水耕栽培では全く心配はいりません。
水耕栽培で注意したいのは、水がなくならないようにすること。根の半分が水に浸(つ)かるようにしてください。根元まで水に浸(ひた)してしまわず、根腐れを起こさないように注意しましょう。
3.肥料について
発芽後、微粉肥料を水に溶かして与えます。微粉肥料は200mlの水に対し、計量スプーンに1杯が目安です。微粉肥料も、水耕栽培キットに含まれています。なくなったら、市販のものを用意してください。液体肥料でも構いません。
肥料は、ハイポニカが代表的です。
4.虫対策について
室内で水耕栽培するメリットは、気温が安定してより多くの収穫が楽しめることと、パクチーの緑色が癒(い)やしの要素をもたらすことです。
土栽培より虫の発生率は少ないのですが、室内でも虫対策はしっかりしておくようにしてください。アブラムシ・ハダニは室内でも発生します。虫は衣類や肌に付着して室内へ侵入するため、虫の卵がいつの間にか葉について繁殖する恐れもあるでしょう。
虫が発生したら、食器用洗剤を水で薄め、霧吹きで退治するようにしてください。乾燥しやすい室内では、定期的に葉を濡(ぬ)らしておくことで虫の発生を防ぐことができます。
5.まとめ
室内でも楽しめるパクチーの水耕栽培についてご紹介しました。
- パクチーを水耕栽培で育てる方法
- 育て方のポイント
- 肥料について
- 虫対策について
パクチーはエスニック料理に使われるハーブで、独特の芳香があるのが特徴です。自宅での水耕栽培ができ、初心者の方でも始めやすい水耕栽培キットも販売されています。
水耕栽培のポイントは、水を1週間に1回変えることと、水量を根の半分くらいまでに抑えることです。根元まで水に浸(つ)かると根腐れの原因になります。
室内で1年中楽しめるパクチーの収穫ですが、開花後は葉が固くなって風味も劣るため、花芽が出たら収穫するようにしてください。
なるべく日あたりのいい場所を選び、生育を促すようにしましょう。定期的に葉を霧吹きで濡(ぬ)らしておくと、虫対策になります。水耕栽培はとても簡単ですので、自宅でも楽しんでみてください。