イチゴの水耕栽培は室内でどうやるの?イチゴの水耕栽培法について

イチゴを育てたいけれどどうすればいいのかわからない、イチゴ栽培難しそう…と悩みみますよね。一般的にイチゴは土で栽培するものです。しかし、土を使わない水耕栽培であれば室内で簡単にイチゴを育てることができます。そこで、イチゴの水耕栽培、必要な道具や設備、栽培方法など詳しく説明していきましょう。イチゴの水耕栽培について知りたい人は、ぜひチェックしてください。

  1. イチゴの水耕栽培について
  2. 必要な道具・設備
  3. 栽培方法について
  4. イチゴの水耕栽培に関するよくある質問

イチゴの水耕栽培は室内でどうやるの?

この記事を読めば、イチゴの水耕栽培方法に必要な知識を身につけ、上手に育てることができますよ。

1.イチゴの水耕栽培について

イチゴの水耕栽培について

水耕栽培は近年、人気急上昇中の栽培方法です。土を使わず、水だけで植物を育てる方法になります。水栽培はハーブやサボテンなどの観葉植物の育成に使われますが、イチゴでも可能です。そこで、イチゴの水耕栽培について詳しく見ていきましょう。

1‐1.イチゴを水耕栽培するメリット

水耕栽培のメリットは、土耕栽培との違いを見るとわかります。水で栽培する水耕栽培は草刈りをする必要がありません。植物の根っこ部分を水溶液にひたすことで直接栄養を与えることができるのです。草刈りの手間がはぶけると同時に、初心者でも簡単にイチゴを育てることができます。また、室内といった小さいスペースでも栽培可能です。1人暮らしのキッチンでも育てることができるでしょう。ほかにも、収穫量が多い、土耕栽培に比べて成長スピードが速い、殺虫剤を使わないなどのメリットがあります。

1‐2.イチゴの品種について

イチゴといってもさまざまな品種があります。水耕栽培では自分の好きなイチゴを育てることができるでしょう。新品種のイチゴを水耕栽培で育てている工場、農家もいます。では、一体どんな品種があるのでしょうか。

1‐2‐1.一季成りイチゴ

スーパーで販売しているイチゴの多くは「一季成りイチゴ」と呼ばれるものです。たとえば、とよのか、とちおとめといったブランドが当てはまります。一季成りイチゴは、1年に1度だけ収穫できるのが特徴です。

1‐2‐2.四季成りイチゴ

家庭菜園向きで人気があるのは「四季成りイチゴ」です。四季成りイチゴは季節に関係なく、1年中楽しめる品種になります。およそ1年に2回のサイクルで収穫できるでしょう。家庭菜園でイチゴを育てたい人、初心者の人は四季成りイチゴがおすすめです。

室内でイチゴが育てられるのは大きな魅力ですね。
はい。室内なら温度管理も楽で、病気や害虫の被害に遭うリスクも減らせます。

2.水耕栽培に必要な道具・設備

水耕栽培に必要な道具・設備

イチゴを育てるには必要な道具・設備を準備しなければなりません。しかし、何から始めたらいいのかわからないと思います。これから、そろえる道具や苗、水耕栽培のキットについて説明するので、ぜひチェックしてください。

2‐1.そろえる道具

イチゴを水耕栽培で育てる場合、そろえる道具は以下のとおりです。

  • イチゴを育てるための容器
  • イチゴの苗
  • 苗を支えるための土台
  • エアポンプ、エアホース
  • 水耕栽培用の液肥
  • 人工授粉に使う綿棒、綿つきの耳かき
  • アルミシート

以上の道具は最低限用意してください。イチゴを水耕栽培に使う容器はペットボトルでも構いません。また、苗を支えるための土台となるスポンジ、発泡スチロールが必要です。以上の道具をそろえておけば、イチゴの水耕栽培が自作できます。

2‐2.苗について

イチゴの苗がなければ水耕栽培ができません。イチゴの水耕栽培では種ではなく、発芽させた苗を使います。イチゴの苗は園芸店で購入できるでしょう。よりおいしいイチゴを育てたい場合は専門的に苗を育て販売している「育苗農家」からの購入をおすすめします。許可を取得した育苗農家の苗は品質良好です。また、苗の選び方は「ツヤ」「葉と茎の緑色」「茎の太さ」「変色の有無」がポイントになります。できるだけ、ツヤのある苗、葉と茎の緑色が鮮やかな苗、茎の太さがしっかりとしている苗を選んでください。

2‐3.水栽培のキットについて

水耕栽培の初心者は水栽培キットを使用したほうがいいでしょう。水栽培のキットは水耕栽培に必要な道具が一式そろっています。手間をかけずにイチゴの水耕栽培をしたい人はキットの購入がおすすめです。

2‐3‐1.水栽培キットのメリット

室内で野菜、果物が栽培できるキットは狭いスペースでも置くことができます。キットのサイズは幅広いので、部屋のサイズに合ったものが選べるでしょう。また、必要な道具を1つずつ準備する必要もありません。水栽培に必要なLEDライトを自作する人はいますが、キットにはLEDライトも入っています。安心してイチゴを育てることができるでしょう。

2‐3‐2.栽培方法

キットを使用した栽培は根っこの部分を養液にひたす仕組みです。イチゴの水耕栽培に必要なLEDライトのほか、酸素を送るためのパイプや装置もあります。土を使わないので水栽培の肥料は水の中にある養分です。根っこが養分を吸いあげ、イチゴの実がなります。

2‐3‐3.料金について

水栽培キットは一体いくらになるのか、料金について気になっている人は多いでしょう。キットの大きさにもよりますが、2万~3万円が目安になります。1万円弱で購入できる水栽培キットも出ているので、ぜひチェックしてみてください。ちなみに、水耕栽培専用の道具を販売している「水耕栽培どっとネット」では、直接お店に取りに行くと5,000円割引サービスが利用できますよ。
水耕栽培どっとネット

2‐3‐4.購入方法

水栽培キットは園芸店、ホームセンターなどで購入できます。ただし、店頭に販売している種類は限りがあるでしょう。より、幅広い種類の中から選びたい人はインターネットでの購入がおすすめです。インターネットで購入する場合は、口コミや評判をチェックしてくださいね。そして、サイズや仕様なども細かく確認したうえで購入を決めましょう。

水耕栽培のキットを利用すると便利ですね。
はい。キットならば、苗を追加で買うだけですぐに水耕栽培を始められます。

3.栽培方法について

イチゴの栽培方法について

水栽培は野菜、果物など植物を簡単に室内で育てることができる方法です。水耕栽培、土耕栽培に限らず、イチゴを育てる際は栽培方法をきちんと把握しておかなければなりません。これから、イチゴの栽培時期、肥料・害虫問題、収穫、注意点について詳しく説明します。

3‐1.栽培時期について

イチゴの栽培時期は3月下旬~5月下旬、9月~10月までです。すでにできている苗の場合、10月に苗を購入して育てます。水耕栽培は天候に左右されないので土耕栽培よりも早めに収穫できるでしょう。自分で水耕栽培キットをつくる場合は根にスポンジをまきつけて土台をつくってください。苗の土台を固定させた後、宙に浮かせます。ただし、イチゴのクラウンを隠してはいけません。

3‐2.肥料、害虫などについて

おいしいイチゴを育てるには肥料をしっかり与えていかなければなりません。水耕栽培の場合、肥料は水に溶かした液肥になります。液肥はハイポニカ液体肥料がいいでしょう。基本的な濃度は500倍ですが、イチゴには濃すぎます。そのため、1500倍にまで薄めてください。適度に水替えをしながら追肥していくといいですよ。水耕栽培は土耕栽培よりも害虫被害の心配はいりません。害虫対策としては、こまめに状態をチェックすることが1番の対策です。

3‐3.収穫について

イチゴの実が赤く色づいてきたときが収穫時期です。人工授粉がうまくいくとイチゴの実がつき始めます。実は重くなればなるほど下にたれさがるでしょう。ほかのイチゴを傷つけないようにわらやビニールをしいて保護すると安心ですね。水耕栽培でもイチゴを収穫するときは、へたの近いところでカットしないことが大切なポイントになります。できれば、へたから2~3cmの離れた部分でカットしてください。また、収穫時期をすぎてしまうとイチゴが固くなっておいしくなくなります。必ず、実が赤くなった時点で摘み取りましょう。

3‐4.注意点

イチゴを水耕栽培で育てる際の注意点をいくつか紹介します。間違った育て方をしないように、注意点をきちんと把握しておきましょう。

3‐4‐1.根腐れ

水耕栽培で特に注意してほしいのが「根腐れ」です。根っこ部分はずっと水にひたしているため、根が腐れやすくなっています。イチゴの水耕栽培において液肥は大切ですが、濃度が濃すぎると根腐れが起きるのです。根腐れは根っこが真っ黒になります。水耕栽培の際は、液肥の濃度に十分気をつけてくださいね。

3‐4‐2.人工授粉

イチゴの水耕栽培は人工授粉が大切なポイントです。人工授粉をしっかりしなければおいしいイチゴができません。人工授粉には綿つきの耳かきや綿棒でしっかり授粉させてあげてください。花の芽にきちんとついたかどうか、確認しながら人工授粉をしていきましょう。もし、授粉がしっかりできなかった場合、変な形のイチゴが出てきます。

3‐4‐3.病気

イチゴにはかかりやすい病気があります。「うどんこ病」と呼ばれる病気、カビの1種です。「うどんこ病」対策として、適度に水を換えてください。もし、葉っぱが白くなったらうどんこ病にかかっている証拠です。イチゴが全滅する前に薬剤を使用するなど対処しなければなりません。

実をならすには、人工授粉が必要なんですね。
はい。そして根腐れには十分注意しましょう。

4.イチゴの水耕栽培に関するよくある質問

イチゴの水耕栽培にかんしてよくある質問

イチゴの水耕栽培に関するよくある質問を5つピックアップします。人気が高まりつつある水耕栽培ですが、まだまだ疑問に思う点はたくさんあるでしょう。楽しくイチゴの水耕栽培ができるよう、疑問点をすべて解消してください。

Q.LEDの種類は?
A.室内で野菜やイチゴを栽培する際、太陽光の代わりとなるLEDが大活躍します。LEDといっても種類は幅広いです。植物が元気に育つためにはおよそ1,000~1,500クルスの光量が必要だといわれています。ちなみに、植物に適している色は、青色と赤色です。赤色は植物の光合成をうながし、青色は実や葉っぱを大きくする力があります。

Q.LEDの選び方が知りたい。
A.本格的にイチゴを育てたい人は野菜育成用のLED照明がおすすめです。植物育成用のLEDはプランター・鉢植えの形状に合わせています。普通のLED照明よりも簡単に使うことができるでしょう。ちなみに、水栽培専用キットにはLED照明も入っています。わざわざ個別で選ばなくてもすぐに育てることができるのでおすすめです。

Q.イチゴ苗の下準備について。
A.根っこを水溶液にひたす前、イチゴの苗の下準備をしなければなりません。まずは、苗を育苗ポットから取り出した後、土の部分を水の入った別の容器につけてください。そして、白い根が出てくるまで土を取りのぞきましょう。取りのぞくときは根っこを傷つけないように注意してくださいね。後は、黒く傷んでいる根をカットして水につけるだけです。

 Q.イチゴ水耕栽培に使うパイプは自作できるの?
A.水耕栽培には酸素を送るためのパイプがあります。パイプは自作できますが、初心者は購入したほうがいいでしょう。自作する場合、ホームセンターで販売されているパイプに穴をあけます。そして、パイプに水溶液を流し、あけた穴の中にイチゴの苗をいれて栽培する方法です。ただし、自作するには時間と手間がかかります。詳しいつくり方は以下のブログで紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。
水耕栽培でうはうは!

Q.水耕栽培でイチゴを上手に育てるコツは?
A.最も大きなコツは「液肥の濃度」です。水に肥料を混ぜて育てる水耕栽培は、濃度のコントロールが1番の決め手になります。ハイポニカを1,500倍薄めた濃度がちょうどいいでしょう。しかし、イチゴの品種や環境によって適切な濃度が異なります。最初は1,500倍でもイチゴの様子や葉っぱ、茎の状態を見ながら調節してください。もし、葉っぱがしおれるなど元気がなければ液肥を追加しましょう。茎の色が茶色と変化すれば濃度が濃い証拠です。すぐに水で薄めてくださいね。

まとめ

イチゴの水耕栽培についてのまとめ

水耕栽培でもおいしいイチゴを育てることができます。大切なのは基礎知識やポイントを押さえることです。水耕栽培の初心者は水耕栽培専用キットの購入をおすすめします。専用キットは水耕栽培に必要な道具が一式そろっているので、簡単にイチゴの栽培ができるでしょう。また、水耕栽培はイチゴのほかにもさまざまな野菜を育てることができます。イチゴを育てた後は、自分が育てたい植物に挑戦してみてはいかがでしょうか。より一層、水耕栽培での植物育成が楽しくなりますよ。


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