水耕栽培の植え替え方法についてご存じですか? 土を使わずに水だけで植物や野菜を育てる水耕栽培には、メリットがたくさんあります。土で育てるよりも害虫や病気の心配がなく、手入れも楽な水耕栽培。最近注目を集めているハイドロカルチャーもその一つです。バジルやイチゴなどを水耕栽培して、おしゃれに楽しんでみてはいかがでしょうか。水耕栽培は初心者にもおすすめの栽培方法ですが、失敗することもあります。必要に応じて水耕栽培から土栽培へ変更することもあるため、植え替えについても知っておくようにしましょう。
この記事では、水耕栽培の植え替えについて、その目的やタイミング、正しい方法などをまとめてご紹介しています。
この記事を読むことで、水耕栽培成功のコツがわかります。最適な植え替えをして理想の水耕栽培を楽しみましょう。
1.水耕栽培の植え替えについて
水耕栽培の植え替えはなぜ必要なのでしょうか。その目的や方法、土栽培の植え替えとの違いなどを解説します。
1-1.植え替えとは?
観葉植物や野菜を育てる際には、植え替えが必要になることもあります。長期間同じ容器で栽培していると元気がなくなってしまうことがあるのです。この場合、水耕栽培から水耕栽培へ、水耕栽培から土栽培へ、土栽培から水耕栽培へ植え替えるパターンなどいろいろあります。適切なタイミングで植え替えを行うことで栽培に失敗を防ぐことができるのです。立派に育て、長く栽培を楽しむためにも、植え替えの必要について考えてみましょう。
1-2.植え替えはなぜ必要なのか?
植え替えを行う目的は、根よりも大きな容器に移し替えて「成長する余裕を確保する」ことです。根にとって窮屈な容器のままだと、植物の成長が遅れてしまいます。また、土を入れ替えるのも一つの目的です。特に土栽培では、形が変わったり病原菌が住み着いたりして、土の状態が変化してしまいます。新しい土に植え替えてあげることで、植物が好む環境を作り出す必要があるのです。
1-3.植え替えが必要な植物とは?
水耕栽培で植物を育てる際、特に植え替えに注意しなければならない植物には以下のようなものがあります。
- パキラ
- アボカド
- 玉ねぎ
- リーフレタス
- ミント
- サボテン
- もやし
- バジル
水耕栽培で植物が枯れてしまう原因は、ほとんどが根腐れによるものです。酸素不足や老廃物の蓄積が原因となるため、半年に1回は植え替えをしてあげましょう。
1-4.土栽培の植え替えとの違い
土栽培の場合、植物が根から排出した老廃物は土中の微生物が分解してくれます。しかし、水耕栽培だと微生物がいないため、老廃物が蓄積されてしまうのです。放置すると根腐れを起こしてしまうため、定期的な植え替えが必要不可欠になります。ハイドロカルチャーの場合も、人口培土の洗浄と薬剤の入れ直しをするために、植え替えを行う必要があるでしょう。
2.水耕栽培の植え替え方法
では、水耕栽培の植え替えはどのように行えばよいのでしょうか。方法やタイミング、ポイントなどをご紹介します。
2-1.植え替え方法
観葉植物や野菜の水耕栽培には、水だけで育てる「水栽培」と人口土を使った「ハイドロカルチャー」があります。今回はハイドロカルチャーの植え替え方法をご紹介しましょう。まず、容器に入っているものをすべて取り出してください。汚れていたり腐ったりしている部分の根はハサミで切り落とし、水をはったバケツの中に根を入れて土を洗い流しましょう。人口培土は水洗いして乾燥させます。浄化作用を高めるために、ケイ酸白土やイオン交換剤を入れ直しましょう。容器の1/3ほどまでの高さに水を含んだ培土を敷き、植物の根を広げながら中央部分に置きます。根を隠すようにして培土を足していき、水を容器の1/5ほどの高さまで入れて完成です。
2-2.タイミング
植え替えのタイミングとして最適なのは、以下のようなときです。
- 鉢に対して株が大きく成長し過ぎている
- 葉が黄色くなっている
- 植物の元気がなくなってきたと感じる
また、植え替えに適しているのは5月中旬から9月中旬ごろまでの暖かい時期です。寒い時期に行うと根が冬越しに耐えられなくなってしまう可能性があるため、十分注意してください。
2-3.コツとポイント
植え替えの際には必ず根切りを行いましょう。その理由は、容器の中で根が伸びるスペースを確保するためだけでなく、根に刺激を与えて成長を促すためです。このとき、根が乾燥しないように素早く行うのがポイントになります。また、水耕栽培から土栽培に植え替える場合は、必ず新しい土を使いましょう。土は劣化すると酸性度が変化してしまうため、成長不良や害虫の発生を招きます。十分に注意してください。
2-4.注意点
植え替え後の観葉植物や野菜は、根が弱っています。回復するまでは少し時間がかかるため、日光を避けて保管するようにしてください。当然、肥料を吸収する力も弱くなっています。植え替え後は2週間ほど、肥料を与えずに様子を見ましょう。また、人口培土を使用する場合は、カビの発生に注意してください。カビを発見したときは、人口培土を取り出して水洗いし、乾燥しましょう。
3.水耕栽培のキット紹介
キットを使って水耕栽培を楽しむ方法もあります。販売している業者選びのポイントや料金などをご紹介しましょう。
3-1.キット紹介
キットがあれば水耕栽培に必要なものはすべてそろいます。「どうやって始めたらよいのかわからない」という人は、キットを購入してみてはいかがでしょうか。コンパクトなものから大型のものまであるため、栽培したい植物や場所によって選ぶことができます。特におすすめしたいのが「水耕栽培どっとネット」の「エアロガーデン」です。栄養や水分、酸素をバランスよく植物に供給できるシステムになっており、誰でも簡単に成功できます。照明も自動でコントロールしてくれるため、手間をかけずに水耕栽培を楽しむことができるでしょう。シンプルなデザインなのでどんな部屋にも合いやすいのも特徴です。
3-2.業者選びのポイント
水耕栽培キットは園芸店やホームセンターなどにも販売されていますが、インターネットで探した方が種類も豊富なのでおすすめです。販売業者を選ぶときは、以下のポイントをチェックしてください。
- 水耕栽培キットの販売実績が豊富である
- 品質のよいキットを販売している
- 価格が良心的である
- スタッフが質問に対して的確に答えてくれる
3-3.料金について
水耕栽培キットの値段は、手ごろなものから高価なものまでさまざまです。品質や性能によって数千円から数万円するものもあるため、どのように植物を栽培したいのかよく考えてから選ぶようにしてください。先ほどご紹介した「エアロガーデン」は19,800円で販売されています。自分ですべてそろえるより、最初から用意されているものを使って確実に成功したいという人は、ぜひ試してみてください。
3-4.注意点
水耕栽培は、キットを使わなくても身の回りにあるもので代用できます。実際に、空のペットボトルや台所用スポンジなどを使って水耕栽培を楽しんでいる人もいるでしょう。しかし、初心者にはおすすめできません。代用品で水耕栽培を始めると、根に酸素がうまく送れないなど、失敗してしまう可能性があるのです。やはり最初は、必要なものがそろったキットを使用することをおすすめします。
4.水耕栽培の植え替えに関するよくある質問
「水耕栽培の植え替えについて知りたい」という人が感じるであろう疑問とその回答をまとめてみました。
4-1.水耕栽培に向いていない植物にはどのようなものがありますか?
A.じゃがいもや大根などの根菜類は、水耕栽培にあまり向いていません。液肥の中で大きく育てるのは難しいため、まずは育てやすいハーブ類などから始めるのがおすすめです。
4-2.水耕栽培のメリットにはどのようなものがありますか?
A.土を使わないため室内を汚す心配がなく、害虫が発生しにくいというメリットがあります。また、気候に左右されることがないため、安定した収穫が可能です。
4-3.水耕栽培では1日にどのくらい日光に当てればよいですか?
A.最低でも1日に3時間は日光に当てるようにしましょう。水耕栽培では光合成が重要なポイントになります。日光を好む植物はできるだけ窓辺で育てるようにしてください。
4-4.液肥はどのくらいの頻度で与えればよいですか?
A.水耕栽培では土の中にあるような栄養素を与えることができないため、2~7日に1回は液肥を入れてあげましょう。
4-5.水耕栽培成功のポイントは何ですか?
A.「酸素を豊富に含んだ水」と「光」です。どちらかが不足すると水耕栽培は失敗する可能性が高くなります。
まとめ
いかがでしたか? 水耕栽培の植え替えについて、その方法やタイミングなどをご紹介しました。水耕栽培は初心者にも失敗が少ない栽培方法として人気です。しかし、方法を間違えると植物は大きく育つことができません。特に、植え替えを正しく行うかどうかは重要なポイントになるはずです。水耕栽培の植え替えについて詳しく把握し、立派な植物を育てましょう。この記事を参考にして、水耕栽培の魅力をさらに知ってください。