再生野菜を上手に育てるポイントは? 根から野菜を育てる方法

購入したネギの根を残して、家で再生させている方は多いことでしょう。再生野菜は水にひたしたり、プランターに植えて育てたりすれば、食べられる部分が再び生えてきます。再生野菜を上手に利用すれば、食費節約にもなり一石二鳥です。しかし、栽培方法やポイントを押さえておかなければ、上手に育てることはできません。そこで、本記事では、再生野菜の基礎知識や方法・育てられる野菜・水耕栽培などについて詳しく説明します。

  1. 再生野菜の基礎知識
  2. 再生野菜の方法について
  3. 再生野菜ができるもの
  4. 再生野菜の水耕栽培について
  5. 再生野菜にかんしてよくある質問

この記事を読むことで、自宅で簡単に再生野菜を育てるための知識を身につけることができます。再生野菜や水耕栽培が気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.再生野菜の基礎知識

再生野菜の栽培方法を知る前に、基礎知識を身につけておかなければなりません。再生野菜の概要や魅力・最近の傾向について詳しく説明します。

1-1.再生野菜とは

再生野菜は、リボベジ=リボーンベジタブルとも呼ばれています。名前のとおり、野菜を再生させることです。一般的に、野菜は食べるとなくなりますよね。しかし、ネギなどの根を残して育生すれば、根から再び生えてくるのです。そんな野菜のことを再生野菜といい、多くの人が家庭菜園で利用しています。

1-2.魅力

再生野菜の魅力といえば、簡単に育てられることです。家庭菜園初心者でも気軽に始められるほど、簡単な方法となっています。また、節約できるのも魅力の1つです。現在は、野菜の値段が高くなっており、お金のやりくりに困っている方も多いことでしょう。しかし、自宅で野菜を育成できれば、食費の節約にもなるのです。ほかにも、インテリアとして楽しめる・エコなキッチン菜園ができるなど、たくさんの魅力があります。

1-3.最近の傾向

最近は、土やプランターを使わずにペットボトルなどの容器を使用する“水耕栽培”が注目をあびています。水耕栽培は、キッチンの少しのスペースでも気軽に育てられるため、主婦層に人気が集まっているのです。水耕栽培については、【4.再生野菜の水耕栽培について】で説明するのでぜひチェックしてください。

2.再生野菜の方法について

それでは、再生野菜の方法について詳しく説明します。

2-1.主な栽培方法とは

再生野菜の主な栽培方法としては、水で育てる“水耕栽培”と、土で育てる“土耕栽培”の2つがあります。それぞれ用意するもの・やり方・ポイントや注意点について見ていきましょう。

2-2.水で育てる

室内で育てたい・汚れるのが嫌と思っている方におすすめしたいのが、水で育てる方法です。誰でも必要な道具を用意すれば、すぐに再生野菜の育生が始められます。

2-2-1.用意するもの

水で育てる場合に用意するものは以下のとおりです。

  • あき缶・コップ・プラスチックトレーなどプランター代わりになるもの
  • 再生野菜の根
  • 液肥

ほとんどの場合は、液肥がなくても育ちます。ただし、液肥を混ぜたほうが栄養価の高い植物が育てられるのです。液肥の使用もポイントの1つといえます。

2-2-2.主な栽培方法

基本的に、根の部分を水につけておくだけでOKです。ネギや水菜などは根の部分を3センチメートル~5センチメートル、にんじんや大根などはヘタの部分を2センチメートル~3センチメートル残してください。リーフレタス・小松菜などは内側の新芽の部分を4~5枚、キャベツは芯の部分に葉を少し残した状態が好ましいです。

2-2-3.ポイント・注意点

水で育てるポイントとしては、キレイな容器に薄く水をはることです。よくありがちなのが、容器いっぱいに水をためて、そのまま根をひたします。しかし、茎まで水につかってしまうと、腐りやすくなるので注意が必要です。容器の中には薄く水を張ることが難しいものもあります。育てるものによってもできないことがあるため、育てる植物の特徴をきちんと把握しておかなければなりません。植物に合った容器を選びましょう。また、キレイな水質が好ましいため、夏場は1日に2回水換えをしてください。1日2回が無理でも、せめて毎日換えるように心がけましょう。

2-3.土で育てる

土で育てる方法も育て方の1つです。土は栄養を十分に確保できるため、立派な野菜に育ちやすい傾向があります。それでは、用意するもの・やり方・ポイントなどについて詳しく見ていきましょう。

2-3-1.用意するもの

土で育てる場合に用意するものは、以下のとおりです。

  • プランター、または植木鉢
  • 園芸用の土
  • 再生野菜の根
  • スコップ
  • じょうろ

最低限でも以上の道具を用意しましょう。プランターはどのような形でもいいですが、野菜が十分に育てられる大きさが好ましいです。狭すぎるプランターは成長の妨げになってしまいます。

2-3-2.主な栽培方法

まずは、プランターや植木鉢に園芸用の土を入れて、再生野菜を植えてください。根の部分を土で埋めるようにするだけでOKです。園芸用の土には栄養がたっぷり含まれているため、きちんと毎日水を与えていけば、順調に成長します。水やりはその日の気候や天気、土の状態を見ながら与えていきましょう。土が乾いている状態であれば、水をあげてください。

2-3-3.ポイント・注意点

土で育てるポイントとしては、野菜が大きくなったら大きめのプランター・植木鉢に植え替えてあげることです。水で育てるよりも成長スピードが速いため、いつの間にかプランター・植木鉢いっぱいに野菜が成長します。そのまま野菜を育ててしまうと、窮屈な状態になるので大きめのプランター・植木鉢に植え替えてあげましょう。

2-4.うまく育てるポイント

再生野菜をうまく育てるポイントとしては、育てすぎないこと・簡単な野菜から育てることの2点です。確かに、再生野菜の育て方は簡単ですが、自分の容量を超えてしまうと失敗します。特に、初心者は1種類から育ててみてください。そして、再生野菜の育生に慣れてきたら数を増やしていきましょう。少しずつ慣れることがポイントです。

3.再生野菜ができるもの

野菜の中には、再生野菜に向いているものがあります。向いている主な野菜や初心者におすすめの野菜・再生野菜の栄養について詳しく見ていきましょう。

3-1.主な野菜

主な野菜として挙げられるのは、葉野菜です。小松菜・ネギ・三つ葉などの葉野菜は、簡単に育てることができます。根の部分を水にひたして見守ってみてください。特に、葉野菜は水耕栽培に向いています。また、大根・にんじん・キャベツ・白菜も再生できる野菜です。

3-2.初心者におすすめの野菜

初心者におすすめしたいのは、豆苗(とうみょう)です。豆苗(とうみょう)は簡単に育てられる再生野菜の代表的な存在といえます。そのため、初心者でも失敗しにくく、最初に育てる再生野菜にぴったりです。豆苗(とうみょう)から始めていき、さまざまな葉野菜や薬味野菜に挑戦してみてください。

3-3.そのほか

そのほかの野菜としては、クレソン・セリ・ハーブ類も育てることができます。ハーブ類は食卓を彩り、さらに食事が楽しくなるでしょう。葉野菜はサラダや炒(いた)めものにもできるため、家庭菜園向きです。ぜひ、自分の好きな葉野菜から始めてみてはいかがでしょうか。

3-4.再生野菜の栄養について

「野菜を再生させると、栄養が少なくなるのでは?」と、気になっている方は多いことでしょう。再生した野菜は、栄養価だけでなく、味・風味も少し落ちる傾向があります。しかし、普通の水を使う場合の話であり、きちんと栄養を与えていけば、栄養価・味・風味が維持できるのです。たとえば、土で栽培する場合は、肥料を土の中に混ぜてください。水で育てる場合は、液肥を混ぜましょう。きちんと栄養を与えていけば、栄養価の心配もなくなります。

4.再生野菜の水耕栽培について

現在は、土耕栽培よりも水耕栽培のほうに注目が集まっています。水耕栽培とはどのような栽培方法なのか、方法やおすすめの野菜・道具・注意点について詳しくチェックしておきましょう。

4-1.水耕栽培とは

水耕栽培とは、水だけで植物を育てる方法で、土は一切使いません。室内で育てられる簡単な栽培方法です。日光に十分に当てることができない場合は、植物用育成ライトを使えば問題ありません。そのため、天候の影響を受けずに、1年中安定した収穫ができます。水耕栽培は初期費用がかかるといわれていますが、土耕栽培よりもメリットが多いので注目されているのです。

4-2.水耕栽培の方法

水耕栽培の方法は簡単です。ペットボトルやコップなどの容器に水を入れて、液肥と混ぜ合わせます。液肥は種類によって濃度が決まっているため、使用前に説明書きを読んでください。後は、水に根の部分をひたすだけで完了です。失敗したくない初心者は、栽培キットをおすすめします。栽培キットは、水耕栽培を始めるための道具がそろっており、簡単に始められるのです。

4-3.おすすめの野菜

水耕栽培に向いている野菜は、葉野菜が代表的です。ネギ・豆苗(とうみょう)・パクチー・クレソン・小松菜・ハーブ類など、葉野菜といってもさまざまな種類があります。また、慣れてきたらトマト・にんじん・にんにくなどに挑戦するといいでしょう。水耕栽培で育てられる野菜は多いので飽きることはありません。

4-4.道具について

水耕栽培キットを用意すれば、はさみ・液肥を購入するだけで栽培が始められます。水耕栽培キットはペットボトル・あき瓶・コップでも代用できますが、水耕栽培システムが整っているものです。水や肥料を混ぜるだけで、野菜が簡単に栽培できます。「水耕栽培どっとネット」では、19,800円のキットを販売しているのでぜひチェックしてみてください。

4-5.注意点

水耕栽培の大きなポイントは、水です。水の質が悪ければ、根もすぐに腐ってしまいます。また、液肥を混ぜる際は、化学反応を起こしやすくなり劣化する恐れがあるでしょう。化学反応を起こさないためにも、濃度はきちんと確認してください。水と混ぜた液肥の効果は1週間程度です。1週間を目安に、液肥も追加していきましょう。

5.再生野菜にかんしてよくある質問

再生野菜にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。

5-1.収穫までどのくらいかかるのか?

育てる環境や野菜の種類によって異なりますが、早くて1~2週間で収穫できます。毎日きちんと水換えや水を与えておけば、順調に育つものです。遅いものは1か月以上かかりますが、成長を楽しむのも家庭菜園の醍醐味(だいごみ)でしょう。

5-2.水を換える際に注意しておきたいこととは?

水を換えるときは、容器についているぬめりや藻などを、すべてキレイに取りのぞいてください。水がキレイでも、容器が汚ければ意味がありません。容器にぬめりや藻がたくさんついていると、野菜が育たなくなります。

5-3.水耕栽培に向いていないものとは?

山芋・ごぼう・カブなどの根菜類は、プランターで土耕栽培したほうがいいでしょう。水耕栽培をしても成長スピードが遅く、失敗しやすい傾向があります。水耕栽培にも向いている野菜と向いていない野菜があるのです。

5-4.水耕栽培と土耕栽培、初心者に向いている栽培方法はどっちか?

家庭菜園初心者におすすめしたいのは、水耕栽培です。土耕栽培は土を使うため、害虫・病害を起こす可能性があります。水耕栽培よりも入念に観察して、お手入れをしていかなければなりません。お手入れが面倒・家の中を汚したくない・手間をかけたくないという方は、水耕栽培を選択してください。

5-5.おすすめの液肥とは?

水耕栽培で使う液肥で悩んでいる方は、ハイポニカを使用してください。ハイポニカは水耕栽培用の液肥としてよく使われています。長期間栽培を続けても、安定した肥料を与えることができ、どの植物にも適用可能です。ほかにも、大塚ハウスから出ているベジタブルライフAも使えます。ただし、液肥によって薄め方や濃度が異なるため、その点は十分に注意してくださいね。

まとめ

いかがでしたか? 再生野菜は食べた野菜の根・茎を残して、水や土で再生させることです。栽培方法としては、水耕栽培と土耕栽培があります。従来の栽培は土を使った方法ですが、自宅で簡単に育てたい方は水耕栽培がおすすめです。水・液肥・容器があれば、室内で簡単に育てることができます。水耕栽培の初心者は、栽培キットを使えば簡単です。始める前に、きちんと育てるポイントや注意点を把握しておけば、スムーズに再生野菜を育てることができ、楽しめるでしょう。大切なのは、基礎知識を身につけることです。


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