一般的な家庭菜園と言えば、土を使った土耕栽培を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、近年は、土をまったく使わずに水で栽培する水耕栽培に人気が集まっています。「名前は聞くけど、どんな方法なのか分からない」「試してみたいけど、初心者でもできるのか?」など、不安を感じている方も多いと思います。水耕栽培は、初心者でも気軽にできると好評なのです。しかし、基礎知識を身につけておかなければ、失敗する可能性があるでしょう。そこで、本記事では、水耕栽培の基礎知識から初心者向けの栽培方法・植物、始め方、相談・販売などについて説明します。
この記事を読むことで、初心者にもおすすめの水耕栽培法や植物などが分かります。知識を身につけたい方や始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1.水耕栽培の基礎知識
楽しく水耕栽培を始めるためには、どんな方法なのか基礎知識を把握しておかなければなりません。土耕栽培の違いやメリット・デメリット、現状・人気などについて詳しく説明します。
1-1.どんなものか
水耕栽培は、土を使わずに水と液体肥料で植物を育てる方法です。植物生理学者であるザックス氏が発明したと言われており、水耕栽培の注目度が年々高まってきています。液体肥料を混ぜた水溶液に植物の根を浸すことで、育てる簡単な栽培方法です。家庭菜園の初心者でも気軽に挑戦できると、主婦層を中心に人気があります。
1-2.メリット・デメリット
土耕栽培はとの大きな違いは、土を使うか使わないかです。土耕栽培の基本は、土での栽培となるため、草刈りや病害・害虫対策に時間を要することがあります。しかし、水耕栽培は、土を扱うことはないため、管理が簡単で殺虫剤を使う必要もありません。1人暮らしの狭いスペースやキッチンでも、簡単に栽培できます。ただし、デメリットもあるので注意が必要です。水耕栽培のメリット・デメリットを以下にまとめてみました。
<メリット>
- 土を使わないので、管理が簡単・部屋が汚れない
- 季節や天候に左右されず、1年中安定した栽培が可能
- 土耕栽培に比べて成長スピードが速い
- 狭いスペースでも簡単に栽培できる
- 殺虫剤の使用が少ない(使用する際は、極微量でOK)
- 収穫量が多く、質が安定する
- 初心者でも栽培ができる
<デメリット>
- 容器や液体肥料、栽培キットを用意しなければならない
- 電気を使うため、消費量が大きいほど電気代がかかる
- 良質な水を準備しなければならない・毎日水替えが必要
1-3.現状・人気について
現在は、昔よりも水耕栽培が広く知れわたっています。植物工場の数は年々増えており、2016年度でおよそ300箇所以上もあるのです。初心者でも始められる気軽さや、1年中安定した供給が可能であることなど、さまざまなメリット要素があるからこそ、注目され人気になったのだと分かります。今後も、水耕栽培のブームがさらに続くでしょう。
2.初心者向けの水耕栽培について
初心者でも気軽に始められる水耕栽培ですが、知識を持っておかなければ失敗する可能性があります。水耕栽培を楽しむためにも、栽培方法や初心者向けの植物・注意点を確認しておきましょう。
2-1.栽培方法について
水耕栽培は、肥料が含まれている水溶液に、植物の根を浸して育てます。自作で栽培する場合は、ペットボトルやガラス・プラスチックのコップなどを容器にして、根っこの3分2を水に浸す方法が一般的です。基本となる栽培方法は変わりませんが、種または苗・種どちらから育てるかで手順が異なります。苗から始める場合は、容器などの準備で済みますが、種の場合は発芽させなければなりません。具体的な手順を、以下にまとめました。
<種から始める場合>
- スポンジを用意して細かく切り、中心に十の字の切り込みを入れて湿らせる
- 切り込み部分に種をのせて、水をためた容器に入れる
- 日光が当たる風とおしの良い場所で管理しつつ、毎日水替えをする
- 発芽したものから、ペットボトルなどの容器に移す
初心者向けは、苗から育てる方法です。種の発芽は、ある程度、水耕栽培に慣れてから挑戦してください。急に、種から始めてしまえば、失敗する可能性があります。
2-2.初心者向けの植物について
基本的に、水耕栽培に向いている植物は、水菜や小松菜・大葉・バジル・レタスなどの葉野菜です。葉野菜は初心者でも簡単に育てることができます。ほかにも、ミニトマト・ハーブ類は、手間がかからず、途中で枯れるというトラブルも少なめです。
2-3.注意点
水耕栽培を始める際、育てたい野菜の苗を選ぶと思います。苗選びは、水耕栽培成功のポイントとなるので注意が必要です。水耕栽培で楽しく育てるために、元気の良い苗を選んでください。元気の良い苗かどうかは、以下のポイントに注目するといいですよ。
- 徒長せずに隙間が詰まっている
- 葉色が濃い緑色
- 下葉がしっかりついている
- ポットの土が見えないくらいがっしりしている
- 病害虫の被害が見られない
すでに、弱っている苗を選んでしまうと、水耕栽培でもすぐに枯れてしまいます。「どれでもいい」と考えずに、慎重かつ丁寧に苗を選んでください。
3.水耕栽培を始めるための準備
水耕栽培を始めるためには、必要な道具を準備しなければなりません。用意するものや道具の販売・肥料・手軽な栽培キット・注意点について説明します。
3-1.用意するもの
水耕栽培に必要な道具は、以下のとおりです。
- 植物
- ペットボトルやガラスコップなどの容器
- 液体肥料
- 培地
培地は、ウレタン発泡樹脂やロックウールのことで、植物を支えるために必要なものです。また、よりスムーズに育てるために、エアポンプなど酸素を送る装置を用意する方もいます。中には、水耕栽培に必要なものを自作する方もいますが、初心者は必要なものがそろっている専用キットを購入したほうがいいでしょう。
3-2.道具の販売について
栽培キットなどの道具を販売している実店舗は限られています。水耕栽培の人気が出てきているので、道具をそろえるホームセンターや園芸店も増えました。しかし、まだまだ種類や品ぞろえが限られているため、インターネットでの購入をおすすめします。道具を販売している「水耕栽培どっとネット」は、品ぞろえが豊富です。ぜひチェックしてください。
3-3.肥料について
水耕栽培で植物を育てるためには、液体肥料が必要です。よく使われる液体肥料としては、ハイポニカ・ハイポネックス・ベジタブルライフAが挙げられます。それぞれ薄めて使うことになりますが、希釈倍率が異なるので注意してください。たとえば、ベジタブルライフAの場合は、約100~300倍に薄めます。
3-4.手軽な栽培キットとは
初心者におすすめしたいのが、水耕栽培の栽培キットです。「水耕栽培どっとネット」で販売している水耕栽培キットのエアロガーデンは、手間いらずの卓上ミニガーデンとなっています。エアロポニック技術が採用されているため、水分・酸素・養分を理想的な配分で供給可能です。ぜひ、ホームページでチェックしてみてはいかがでしょうか。
3-5.注意点
水耕栽培は、屋外でも栽培できますが、屋内がほとんどです。ただし、屋内で育てる場合は、日当たりに注意しなければなりません。植物の成長には光合成が必要不可欠なので、日当たりの良い場所で育ててください。日光の代わりにLEDを用いる方法もありますが、選び方が難しいため、初心者は照明もセットになっている水耕栽培キットを利用したほうが安心です。
4.水耕栽培の相談・販売について
水耕栽培について知りたいことがたくさんあるでしょう。そんなときは、一体どこに相談すればいいのか悩みますよね。そこで、相談ができる場所や業者選びのポイント・費用・注意点について確認しておきましょう。
4-1.相談について
水耕栽培に関する疑問や悩みがある場合は、知識を持っている業者に相談してください。水耕栽培関連の道具を販売している「水耕栽培どっとネット」は、どんなことでも相談を受けつけています。電話またはFAX・ホームページのフォームからも問い合わせ可能です。また、ホームページでは、よくある質問も記載しているのでぜひチェックしてくださいね。
4-2.業者選びのポイント
質の良い道具を用意して、楽しく水耕栽培を始めるためには業者選びが大切です。信頼できる業者選びのポイントを以下にピックアップしてみました。
- 丁寧でスピーディーな対応か
- 水耕栽培関連の道具が幅広くそろっており、種類が豊富か
- 無料相談を受けつけているか
- 送料や料金などの記載が明確か
- 一流メーカーの最新商品がそろっているか
- 低価格で購入できるか
- サポートやアフターケアーが整っているか
4-3.費用について
「水耕栽培どっとネット」のエアロガーデンは、19,800円+送料で購入できます。必要な道具をそれぞれ用意するよりも、キットを購入したほうが手早くかつ安心して育てることができるでしょう。道具を購入する際は、費用もしっかりと確認してくださいね。
4-4.注意点
業者の中には、悪質な商品を販売しているところがあります。ホームページに記載している写真が良くても、実際に届いた商品に不備があるなどのトラブルが起きているのです。業者との間でトラブルを防ぐためにも、業者の対応やサービス内容などを比較してください。悪徳業者は対応が悪い傾向があります。また、口コミや評判などもチェックするといいでしょう。もし、悪徳業者との間でトラブルが起きた場合は、すぐに国民生活センターか、または消費者センターへ相談してください。
5.水耕栽培に関してよくある質問
水耕栽培に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。初心者の方は、ぜひチェックしてください。
5-1.水耕栽培に不向きな植物はあるのか?
土の中で実が育つタイプの植物は、水耕栽培に向いていません。たとえば、じゃがいもや大根・にんじんなどが挙げられます。本格的な設備が整っている植物工場の中には、にんじんなどの根菜類を育てているところもあるでしょう。しかし、家庭菜園や初心者では難しい部分があるため、向いている葉野菜から挑戦してください。ある程度、水耕栽培に慣れてきたら、きゅうりやオクラ・ナス・エンドウ豆・いちごなどの中級者・上級者向けに挑戦しましょう。
5-2.初心者が失敗しやすいこととは?
水溶液の量によって、根腐れが起きて植物が枯れる失敗が見られます。根腐れの原因は、水分の極端な多さと少なさです。適量は、根が3分の2くらいの高さまでつかるぐらいと言われています。水替えを行う際は、量にも気をつけてくださいね。
5-3.水替え以外に、注意すべきポイントとは?
常に、容器をキレイな状態にすることです。毎日水替えをしていても、容器の中にカビや藻(も)が発生したままでは、水が汚くなります。新鮮かつ良質な水を与えることが大切なので、容器の状態にも気を配ってください。定期的に、容器を掃除しましょう。
5-4.肥料は追加すべきか? 頻度はどのくらいか?
植物の状態を見ながら、肥料を追加するのが理想的です。たとえば、植物がしおれている・根や葉の色が茶色になっている場合は、元気がない証(あか)しとなります。元気がないときは、肥料を追加してください。
5-5.水耕栽培に適した温度とは?
水耕栽培に適した温度は、15~25℃と言われています。冬場は10℃以下、夏場は25℃以上の環境で育てないことを意識してください。温度変化が激しい季節は管理が難しいため、置き場所を工夫することが大切です。夏場の日中は日向(ひなた)に置かない・冬場は日当たりの良い場所に置くなど、注意してくださいね。
まとめ
いかがでしたか? 水と液体肥料で育てる水耕栽培は、初心者でも簡単に始められる栽培方法です。水耕栽培を始めるためには、容器や植物(苗または種)・液体肥料などの道具を用意しなければなりません。初心者の場合、最初から用意するのは大変なので、すべてがセットになっている水耕栽培キットがおすすめです。栽培キットを利用すれば、日当たりや酸素の供給も考える必要がなく、気軽に育てることができるでしょう。楽しく、順調に植物を育てるためにも、水耕栽培に関する知識を習得してください。