ガーデニングや家庭菜園を楽しむ方で多い悩みは、夏の暑さ対策です。屋外で日よけなど工夫をしても、なかなかうまく育たないというケースもあります。植物や花は暑さや乾燥に弱く、枯れてしまうこともあるものです。
「暑さに強い植物や花が知りたい」「暑さ対策のポイントとは?」など、家庭菜園やガーデニングをやっている方は自然と疑問が生じることでしょう。うまく育てるためには、暑さ対策と同時に、夏や乾燥に強い植物を知っておくことも大切です。
今回は、家庭菜園での暑さ対策についてご紹介します。
ベランダは日よけも少なく、栽培で苦戦することも多いものです。しかし、暑さ対策のコツを知っておくだけで、植物を育てることが楽しく感じることができます。この記事を参考に、夏の家庭菜園やガーデニングに生かしてください。
1.家庭菜園での暑さ対策について
暑さは、植物に大きなダメージを与えます。水やりなどをこまめにしても、枯れてしまうこともあるものです。家庭菜園での暑さ対策におけるポイントなどをご紹介します。
1-1.家庭菜園(野菜)と暑さについて
暑さ対策を講じずに野菜を育てた場合、日差しによるダメージを受け、生育不良や乾燥が起こりやすくなります。ベランダでの栽培は、床材が照り返しで熱くなり、庭で育てるよりダメージを受けるのが早いでしょう。必ず、暑さ対策を行わなければなりません。
1-2.家庭菜園での暑さ対策方法
1-2-1.押さえるポイント
最も大切なのは、強い日差しを遮ることです。日よけをし、直射日光による干ばつが起こらないようにしましょう。熱がこもる環境も危険ですから、葉が密集しないように摘み取る作業もおすすめです。水は植物栽培の基本となるもので、朝と夕に水やりを行ってください。
1-2-2.実際の対策方法
前述したとおり、葉を摘み取る「葉かき」という作業が重要となります。葉と葉の間の通気がよくなり、熱がこもらなくなるでしょう。摘芯は、野菜の成長過程で必要です。上に伸びようとする芽を摘み取り、脇芽が出やすい環境を作ります。苗の段階で摘芯をしておき、バランスよく育つ環境にしてみてください。収穫量も増え、安定した栽培が行えるでしょう。
暑さ対策には日よけネットの活用や日陰に置くなど、工夫をしてみてください。日よけグッズはホームセンターでも購入できます。通気を維持しながら、直射日光だけを遮ることができるものが最適です。
1-3.夏の家庭菜園における栽培方法について
夏に家庭菜園を楽しみたいなら、暑さや乾燥に強い植物を選ぶことが大切です。ガーデニングでも同様で、暑さに強い観葉植物や多年草などを選ぶことをおすすめします。夏は、西日が強く当たり、土壌の乾燥を助長してしまうものです。水やりと同時に、西日に強いものを選ぶようにしましょう。
プランターで育てる場合、日差しが強い時間帯は日陰に移動するなど、常に日照管理をしておくと安心です。ただし、日陰に置いたままでは日照不足になる恐れがあるため、一定時間は日差しに当たるようにしてください。
2.水耕栽培での暑さ対策について
水耕栽培は成長速度が速く、確かな収穫が見込めるとあり、家庭菜園初心者の方にも選ばれています。水耕栽培における暑さ対策について考えていきましょう。
2-1.暑さと水耕栽培について
水耕栽培は土栽培より根腐れなどの心配がないとされています。しかし、太陽光で育てる場合は、温度管理をしっかり行う必要があるのです。28℃を超えたら、野菜がしおれる可能性があります。土栽培より簡単とはいえ、やはり、温度管理と日照条件は重要なポイントです。
2-2.水耕栽培の暑さ対策方法
暑さ対策として、室内で太陽光代わりとしてLEDライトだけを使い、高温になるのを避ける方法がおすすめです。太陽光より管理がしやすく、日照時間もコントロールできます。LEDライトは省エネ設計で、太陽光より低い温度で光をあて続けるため、水の汚れや雑菌の繁殖も起こりにくいでしょう。
2-3.夏の水耕栽培におけるポイント
夏にガーデニングや家庭菜園を水耕栽培で楽しむときは、ベランダや屋外で行わず、室内に置くことをおすすめします。葉物野菜でもしおれることなく、常に目が行き届く環境で栽培が可能です。ただし、水切れには注意し、水質管理もしっかり行いましょう。
3.夏に強い野菜とは?
夏に強い野菜はいろいろあります。家庭菜園を始める前に、野菜にかんする知識を持ち、上手に育てておいしく食べましょう。
3-1.どんな野菜があるのか?
3-1-1.キュウリ
夏といえば、キュウリは定番ですよね。余剰な塩分を排出する役割を持ち、むくみを防止する効果があります。体を冷却する作用もあるため、夏に最適な野菜です。
なるべく日当たりのいい場所で栽培し、摘芯などを行いながら栽培することで、豊富な収穫が望めます。水は多めに与えるようにしましょう。連作栽培はしないようにしてください。
3-1-2.トマト・ミニトマト
トマトやミニトマトは最も育てやすい夏野菜です。サラダでもおいしく食べることができ、煮込み料理にも向いています。甘みがあり、子どもから高齢者まで幅広い人気がある野菜です。
栽培にあたり注意したいのは、病害虫が発生しやすいことでしょう。キュウリ同様、連作障害も起こりやすいため、毎年土は変えるようにしてください。
3-1-3.ナス
ナスも夏野菜に代表されるものです。幅広いレシピに対応し、和食でも洋食でも楽しむことができます。コレステロール低下にも効果的な野菜です。
夏野菜の中でも最も連作に弱いため、土は毎年きれいなものに交換しましょう。ナスは乾燥した環境を嫌います。そのため、土を園芸用フィルムなどで保護しておけば安心です。摘芯も早めに行いましょう。
3-1-4.ピーマン
ビタミンやミネラルを豊富に含むピーマンも、夏に強い野菜です。上手に育てることができたら、多くの収穫が見込めるでしょう。
甘みのあるピーマンに育てるコツは、乾燥を避け、適度に肥料を与えることです。乾燥していると感じたら、こまめに水やりを行ってください。週1回液体肥料を与えるといいでしょう。
4.水耕栽培の道具購入・栽培について
土栽培は何かと難しいと感じてしまう方は、水耕栽培がおすすめです。初心者でも失敗が少なく、始めやすいキットも販売されています。水耕栽培について覚えておきましょう。
4-1.道具の購入について
水耕栽培は、身近なもので道具をそろえることができます。ペットボトル・スポンジ・液体肥料・苗を用意しましょう。種から育てたい場合は、なるべく新しいものを選ぶようにしてください。古いものより発芽が見込めます。室内で水耕栽培をする場合は、LEDライトなど太陽光の代用品となるものも必要です。
4-2.手軽なキットの紹介
水耕栽培を始めるにあたり、手軽なキットを購入してみてはいかがでしょうか? 必要なものがすべてそろっており、ひとつずつ用意する手間を省くことができます。水耕栽培キットは、水耕栽培どっとネットで購入可能です。初心者の方でも、すぐに水耕栽培を始められ、栽培における失敗や購入の漏(も)れがなくなります。
4-3.購入場所の選び方
水耕栽培を始めるときは、水耕栽培を専門に扱うショップで道具をそろえる方法がおすすめです。さまざまなアイテムを用意しており、後から必要なものが出てきた時でも追加購入ができます。水耕栽培どっとネットなら、バリエーション豊富な水耕栽培キットがあり、たくさんの方々に選ばれていますから、気軽にご相談ください。
4-4.水耕栽培キットの料金などについて
家庭菜園向きの小さなキットは、2万円弱で購入できます。規模や設備内容により、料金は変動すると捉(とら)えておきましょう。オプションが増えれば、料金も上乗せされます。最も始めやすいのは、AeroGardenシリーズです。LEDライトが一体化されており、誰でも水耕栽培を気軽に始められます。ただし、種と肥料はご自身で用意してください。
4-5.水耕栽培における注意点
水耕栽培は土栽培より簡単で、たくさんの収穫が楽しめる方法です。しかし、管理が行き届いていないと、収穫どころか害虫や病気の発生も起こります。そのため、毎日観察を続け、異変に早く気づくようにしてください。水質管理も同時に行い、水きれなどが起こらないようにしなければなりません。
5.家庭菜園の暑さ対策でよくある質問
家庭菜園を始める前は、暑さ対策について理解を深めておく必要があります。初心者の方は、どう対処すべきか分からないことも多いものです。質問集を参考にしてみてください。
5-1.ベランダの日よけには何を使うといい?
手すりに取り付けられる遮光ネットがおすすめです。遮光ネットは日差しを遮り、通気が維持できる材質のものを選びましょう。
5-2.屋外で観葉植物を育てる場合も暑さ対策は必要?
観葉植物は直射日光や乾燥に弱いものもあるため、きちんと暑さ対策をしなければなりません。ベランダは照り返しによる影響が強い場所です。熱がこもらないようにしましょう。暑さに強い観葉植物を選ぶこともおすすめです。
5-3.水耕栽培では、LEDライトがあれば日光は不要?
LEDライトが日光の代わりとなります。タイマーが搭載されているものが多く、照射時間を自動的にコントロールしてくれるのです。日照不足が起こりにくく、管理もしやすいでしょう。
5-4.暑さに弱い野菜でも、水耕栽培なら育てやすい?
室内で水耕栽培をする場合、LEDライトを使用します。LEDライトは温度が上昇しにくく、葉物野菜など、暑さに弱い野菜でも簡単に育てられるでしょう。
5-5.家庭菜園以外にもガーデニングを楽しみたい
ガーデニングをするときは、夏の花を選ぶと暑さに負けずに花を楽しむことができます。ペチュニア・ブーゲンビリア・マリーゴールド・千日紅・インパチェンスなど、さまざまな夏の花があり、鮮やかな色を楽しむことができるでしょう。
6.まとめ
いかがでしたか? 家庭菜園は、自宅で採れたての野菜を味わえる喜びがある反面、夏の暑さに負けてしまうこともあります。直射日光に当たり続ける場所で栽培するときは、暑さ対策は必ず行いましょう。ベランダは熱がこもりやすいため、遮光ネットなどで日よけをしてください。夏に強い野菜は、キュウリ・トマト・ナス・ピーマンなどがあります。暑さに強い野菜を選ぶことも、栽培をうまく進めるコツです。
ただし、こまめな水やりを忘れずに行い、病害虫が発生しないよう管理しましょう。土栽培より簡単な水耕栽培もおすすめです。初心者でも始めやすい水耕栽培キットなら、失敗も少なく、道具をそろえる面倒さもありません。LEDライトを太陽光代わりにして室内栽培もできるため、暑さ対策としても便利でしょう。自宅で気軽に野菜栽培を楽しみ、ご自身で育てたおいしい野菜を味わってください。