アイスプラントの水耕栽培方法は? 必要な道具やポイント・注意点を解説

「水耕栽培でアイスプラントを育てることはできるのか」「栽培に必要な道具は?」など、アイスプラントの水耕栽培で悩んでいる方は多いでしょう。アイスプラントは水耕栽培でも育てることはできます。家庭菜園や水耕栽培が初めての方でも、ポイントを押さえておけば上手に育てることができるでしょう。

本記事では、アイスプラントの特徴・水耕栽培のコツ・注意点などを解説します。

  1. アイスプラントってどんな野菜?
  2. アイスプラントの水耕栽培に必要な道具
  3. アイスプラントの水耕栽培方法
  4. アイスプラントを水耕栽培する際の注意点
  5. アイスプラントの水耕栽培に関してよくある質問

この記事を読むことで、アイスプラントを水耕栽培で育てるコツが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.アイスプラントってどんな野菜?

まずは、アイスプラントがどのような野菜か特徴をチェックしましょう。

1-1.海水と同じ塩分の水で育てることができる

アイスプラントは、ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物です。葉の表面に塩を隔離するための細胞があるため、凍ったように見えることからアイスプラントと名づけられました。アイスプラントの大きな特徴は、海水で水耕栽培ができることです。野菜に限らず、植物は海水を与えると枯れてしまいますが、アイスプラントは海水と同じ塩分濃度の水で栽培ができます。その理由は、アイスプラントの原産地である南アフリカの気候が関係しているからです。

1-2.乾燥した大地でも生き抜くアイスプラント

アイスプラントは乾燥した大地が広がっている南アフリカです。十分な水分を得ることができない環境の中で生き抜くために、水分や土壌のミネラルを吸い上げて葉に貯(た)めるようになりました。また、アイスプラントは塩分が強い土壌でも伸び伸びと育つため耐塩性が強い塩生植物に進化したのです。よって、塩分やミネラルを葉の細胞に貯めこみ、そこから必要な栄養分を摂取するようになりました。アイスプラントの特徴は、厳しい環境の中で生き抜くために備わった力そのものです。

1-3.さまざまな食べ方ができる

アイスプラントはさまざまな食べ方ができるのも大きな魅力です。代表的な食べ方としては、生のままサラダにして食べる方法があります。プチプチとした食感をじっくり味わうことができ、ほんのりとした塩味がドレッシング代わりになるでしょう。また、サッとゆでて食感をさらに楽しむ食べ方もあります。おひたしやしゃぶしゃぶにすることで、アイスプラントの魅力をじっくり味わうことができると好評です。ほかにも、油であげたり、天つゆをつけて食べたりするなどの方法があります。

2.アイスプラントの水耕栽培に必要な道具

ここでは、アイスプラントの水耕栽培に必要な道具を紹介します。

2-1.タネから育てる場合はスポンジが必要不可欠

アイスプラントは水耕栽培で育てることができますが、タネまたは苗から育てるのか自由に決めることができます。水耕栽培初心者は苗からの育生がおすすめです。タネから育てる場合は、やわらかめのスポンジを用意しましょう。スポンジが培地になり、発芽の手助けをしてくれます。ウレタンスポンジを2~3cm角にカットし、1個あたり1cmの深さにタネを植えるのがポイントです。また、スポンジと併せて浅めのトレーを用意しましょう。トレーの中にスポンジを置き、培地が乾燥しないようにしっかりと水を含ませます。

2-2.ペットボトル・ハイドロボールなど

水耕栽培はペットボトルなど簡単な容器を準備するだけで始めることができます。最低でも以下のアイテムを手元に用意してください。

  • 1.5~2ℓのペットボトル(またはビン)
  • ハイドロボールやロックウール
  • 液体肥料
  • アイスプラントのタネまたは苗

上記のアイテムを準備すれば、小さなスペースでも水耕栽培でアイスプラントを育てることができます。ただし、室内が暗すぎると十分な日光を浴びることができず枯れてしまう恐れがあるので注意が必要です。

2-3.植物用のLEDライトを使う

暗い場所でアイスプラントの水耕栽培を始める場合は、日光の代わりになる植物用のLEDライトを活用するといいでしょう。LEDライトは蛍光灯よりも光の加減が調節でき、植物を育てるために必要な光を効率的に当てることができます。電気代も蛍光灯より抑えることができるのでおすすめです。植物用ライトを使用したほうが、スムーズにアイスプラントを育てることができるでしょう。

3.アイスプラントの水耕栽培方法

それでは、アイスプラントを水耕栽培で育てる方法について解説します。

3-1.タネから育てる場合

アイスプラントをタネから育てる場合は、以下の手順を参考にしてください。

  1. スポンジを2~3cm程度の四角形にカットする
  2. スポンジ1個あたりタネ2~3個を1cmの深さに植える
  3. タネが入ったスポンジをトレーの中に敷きつめる
  4. スポンジが浸る程度の水を入れる
  5. 液体肥料を希釈し水に混ぜる
  6. 日当たりと風とおりがいい場所で管理する

夏場は水分が蒸発しやすいため、レース越しの日当たりがいい場所で管理してください。培地は乾燥しないようにしっかりと水を含ませ、黒いビールかラップでおおいます。また、発芽の適温は15~25℃といわれているため、その温度をキープしましょう。すると、タネ植えからおよそ8~12日で発芽します。

3-2.発芽したらペットボトルなどの容器に移し替える

タネから発芽したら、ペットボトルなどの容器に移し替えてください。だいたい、小さな本葉が育ち、根が8cm以上伸びたら定植時期となります。ペットボトルでアイスプラントを育てる方法は以下のとおりです。

  1. ペットボトルを上から3分の1のところでカットする
  2. キャップのあったほうを逆さにして、切り離した部分を重ね合わせる
  3. ペットボトルのキャップ部分から根が出るように、ハイドロボールやロックウールなどで苗を安定させながら植える
  4. 液体肥料を水で薄め、根がつかる程度に与える

ペットボトルに定植させた後は、ベランダや窓際など日光がよく当たる場所で育ててください。植えつけからおよそ40日でアイスプラントが大きくなります。そして、植えつけから50日程度で収穫できるようになるでしょう。

3-3.水耕栽培専用キットを活用する

水耕栽培でアイスプラントを育てるのが不安な方は、専用キットを活用するのも方法の1つです。ホームセンターや水耕栽培専用のグッズを販売しているサイトでは、水耕栽培専用のキットが購入できます。専用キットは、水耕栽培に必要な道具が一式そろっているので、初心者でも安心して育てることができるでしょう。たとえば、水耕栽培どっとネットでは、家庭菜園キットがご購入いただけます。誰でも家庭菜園が楽しめるように画期的なシステムを採用しているため、初心者でも安心です。ほかにも、LEDライトなどさまざまな水耕栽培グッズを販売しているので、ぜひチェックしてください。

4.アイスプラントを水耕栽培する際の注意点

アイスプラントを水耕栽培する際の注意点をいくつか紹介します。

4-1.日当たりがいい場所で管理するのが大切

水耕栽培は土を使わない栽培方法なので室内でも簡単に育てられる点が大きなメリットです。しかし、ずっと暗い室内に置いたままにしていてはすぐに枯れてしまいます。植物を育てるために、日光は必要不可欠です。タネから育てる場合も、苗から育てる場合も、必ず日当たりがいい場所で育ててください。カーテンを閉めたままにしていることが多い寝室ではなく、リビングやキッチンなど日が当たる場所に置きましょう。ただし、夏の強い日差しは逆効果になる恐れがあるため、レースカーテン越しに日光を浴びさせてください。

4-2.こまめに水を換える

水耕栽培は日光ともう1つ、新鮮な水が必要不可欠だといわれています。土で育てる場合は土壌から水分と栄養分を吸い上げますが、水耕栽培の場合は水から栄養分を吸収することになるからです。そのため、こまめに替えて新鮮な水を維持し続けましょう。できれば、毎日水を換えてほしいですが、難しい場合は2~3日に1回を目安にしてください。また、定期的に容器をきれいにすることも大切です。せっかく水を換えても容器の中が汚れていては水も汚れてしまいます。

4-3.元気がないときは液体肥料を追加する

アイスプラントの葉に元気がないときは、液体肥料を追加しましょう。新しい水に替えると同時に、液体肥料を希釈して追加することが大切です。たくさん与えたほうが元気になる・収穫スピードが速くなると思われがちですが、きちんと希釈倍率を守ってください。薄すぎたり濃すぎたりすると、逆にアイスプラントが育たなくなってしまいます。液体肥料の種類によって希釈倍率が異なるため、使う前に必ず確認しましょう。

5.アイスプラントの水耕栽培に関してよくある質問

アイスプラントの水耕栽培に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.アイスプラントを料理する際の注意点は?
A.必ず洗ってから切ることです。アイスプラントを洗う前に切ってしまうと、その切り口からミネラルなどの大切な栄養分が流れて失われてしまいます。栄養分を逃さないためにも、先に洗ってから切ってください。また、味つけは塩分控えめにしましょう。もともと、アイスプラントは塩分を葉に貯める性質があるため、やや塩味がついています。味つけで塩を振ってしまうとさらに塩分が多くなるので要注意です。そして、保存する際は乾燥しないようにキッチンペーパーや新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れてから冷蔵庫に保管してください。

Q.アイスプラントの効能は?
A.アイスプラントには健康に良いとされている栄養素がたくさん含まれています。たとえば、血糖値の上昇を抑えるイノシトールと呼ばれる成分です。イノシトールは体の老化を軽減する抗酸化作用が働き、アイスプラントはほかの野菜よりも豊富に含まれています。そのため、糖尿病など生活習慣病の予防につながるでしょう。また、マグネシウムといったミネラルも豊富に含まれており、暑い毎日が続く夏には熱中症予防にも効果的です。

Q.挿し木で増やすことはできるのか?
A.アイスプラントは挿し木で増やすことができます。挿し木で増やす際は、アイスプラントの芽を清潔なカミソリやカッター・ナイフなどで丁寧に切り取ってください。それから、挿し穂を作ります。植物活力剤を入れた水に1時間ほどつけて水揚げすれば挿し穂になり、その後は清潔な挿し木用の土に植えつけるか、水耕栽培で育てるといいでしょう。2~3日ほど明るい日陰で管理すると根が育ちます。

Q.収穫時のポイントは?
A.外側の大きい葉から切り取ることです。根元から切り取ってしまうと次の葉が生えなくなってしまうので注意してください。葉と先端の芽の部分を摘み取るように収穫するのが大切なポイントです。また、収穫の1週間前に食塩を茶さじで5~6杯入れて水に溶かすと、塩気のあるサッパリとしたアイスプラントを楽しむことができます。収穫後は、枝のように新しい芽が出てくるので、そのたびに切り取って収穫しましょう。

Q.水耕栽培でよくあるトラブルは?
A.根腐れです。水をずっと換えなかったり、日当たりが悪かったりする場合に、根の部分からどんどん腐ってしまう現象となります。根の色が緑色から茶色に変わったときは根腐れを起こしている証拠なので、常に毎日状態をチェックしてください。水耕栽培は土栽培よりも管理が楽になりますが、お世話をしなくていいというわけではありません。毎日状態をチェックすることで異変にもすぐ気づけるようになるでしょう。対処が遅れてしまうと、せっかく育てたアイスプラントがダメになってしまいます。

まとめ

アイスプラントは初心者でも簡単に育てることができる植物です。特に、水耕栽培では家庭菜園が初めてという方でも気軽に始めることができるでしょう。ペットボトルや培地になるアイテムなどを用意すれば、自宅のキッチンといった狭いスペースでも育てることが可能です。ただし、水耕栽培は日光と水が大切なポイントとなります。日光が当たる風とおしがいい場所で管理し、こまめに新しい水へ替えるように心がけてください。そうすれば、約50〜60日でアイスプラントが収穫できるでしょう。ポイントをつかんでおけば、スムーズに収穫できるはずです。


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